...初(はつさけ)は初鰹(はつかつを)の価(あたひ)に比(ひ)すとぞ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...かならず初鰹を膳にのぼせるといふ...
薄田泣菫 「独楽園」
...眼には青葉山ほととぎす初鰹(はつがつお)という句です...
高神覚昇 「般若心経講義」
...随って初袷の好時節も若葉の初鰹(はつがつお)のと申す贅沢(ぜいたく)も出来ず閉居の体...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...初鰹の味の乗って来るのも山時鳥(やまほととぎす)の啼き渡るのもみんなそれぞれ色々な生化学の問題とどこかでつながっているようである...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...飢えに泣いているはずの細民がどうかすると初鰹魚(はつがつお)を食って太平楽を並べていたり...
寺田寅彦 「春六題」
...初鰹の味(あじわい)とてもまた汽車と氷との便あるがために昔のようにさほど珍しくもなくなった...
永井荷風 「日和下駄」
...時鳥(ほとゝぎす)と初鰹(はつがつを)が江戸ツ子の詩情と味覺をそゝる頃のことです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――金貸しの癖に初鰹魚(はつがつを)を買つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...明神下には初鰹(はつがつを)で一杯用意してある筈だ」平次は八五郎を促(うなが)します...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...初鰹(はつがつお)によし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...五十五貫の初鰹(はつがつお)どころか...
野村胡堂 「礫心中」
...初鰹は江戸の季節の一景物とまでなつたのだ...
長谷川時雨 「初かつを」
...鰹が五百なり初鰹女房日なしへいつけてる初鰹女房は質を請けたがりがよく諷してゐる...
長谷川時雨 「初かつを」
...最初に行きあった船に初鰹をなげこんでやるのがきまりになっている...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...初鰹を商ふものに逢ひ...
三木貞一 「初代谷風梶之助」
...初鰹(はつがつお)も過ぎ...
吉川英治 「剣難女難」
...初鰹(はつがつお)をつんで朝から何艘(なんばい)も日本橋の河岸(かし)へはいった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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