...ただの岡見伍長ではないか? こないな意気地なしになって...
岩野泡鳴 「戦話」
...――」「意気地なしか大甘野郎かどうか...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...意気地なし、意気地なし」「黒トカゲ」はそれを見て、妙に甲高い声で叱ったが、彼女もいつの間にか早苗さんのそばにくず折れていた...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...外で酒一つ飲む事の出来ない程の意気地なしである...
薄田泣菫 「茶話」
...其の子は同級の塙(はなわ)信一と云って入学した当時から尋常四年の今日まで附添人の女中を片時も側から離した事のない評判の意気地なし...
谷崎潤一郎 「少年」
...家に居ても学校に居る時と同じように全く卑屈な意気地なしと変って了った...
谷崎潤一郎 「少年」
...意気地なしめ、臆病(おくびょう)者!」彼女は相手の男を呼びかけた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...近処の子はいづれも神田つ子の卵の腕白でこんな意気地なしは相手にしてくれないばかりかすきさへあれば辛いめをみせる...
中勘助 「銀の匙」
...(ララ〈LALA〉=アジア救済連盟)それにもかかわらず、逃げ出す孤児――なぜだろう? しかも頭のいい、しっかり者が飛び出すとは?孤児に言わせると、収容所に残っている奴は、意気地なしだよ、怠け者だよ、ぼんやりなんだよ、とさげすむ...
永井隆 「この子を残して」
...」「意気地なしだなあ...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...鼻っぱりの強い意気地なしなのである...
長谷川時雨 「朝散太夫の末裔」
...まるきりの意気地なしです...
火野葦平 「花と龍」
...本統なんですか」「私が意気地なしだから……」と...
広津柳浪 「今戸心中」
...意気地なしめ! ドラ猫だって...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...この国民はすべて意気地なしで女同然だ...
南方熊楠 「十二支考」
...今は全く夏の疲れが出て居て意気地なしのところ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...わたしがそう思いこんでも意気地なしとはいわれまい...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「意気地なしめッ」追いかかった小六が後ろから飛び斬りにさっと背中へ割りつけた一刀...
吉川英治 「剣難女難」
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