...それは初夏のもの悩ましい若い男の心を漂渺の界に誘ふて行く夜であつた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...それは悩ましい瞬間だった...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「ふみたば」
...悲しい日、恥づかしい日、悩ましい日、切ない日...
種田山頭火 「其中日記」
...たちまち彼の胸に何か妙に悩ましい感じを起こさせたのである...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...悩ましい幻惑を彼に及ぼしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして悩ましい苦笑を押し拭いながら...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...やさしい少し悩ましい顔になりました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...とにかく激しく悩ましいものが一時に奔騰した...
原民喜 「火の踵」
...それほど悩ましいなら...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...俺は実に悩ましい...
牧野信一 「南風譜」
...すると重たい悩ましい法悦の歌を低音に歌いながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...この鼻風邪は重たい悩ましい陶酔のようによどんでいるのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...沈みしも忘れぬものを懲りずまに身も投げつべき宿の藤波と歌いながら院はお悩ましいふうで戸口によりかかっておいでになるのを...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...どんなに悩ましい思いを多くせねばならぬことであろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...悩ましい空想を駆り立ててくるのであった...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...まぼろしは暴風(はやて)めく黄に 病みて むしばまれゆく 薫香悩ましいまあぶるの しづけさたひらかな そのしずけさの おもわにあまりにもつよく うつりてなげく悔恨の 白い おもひでみよ...
八木重吉 「秋の瞳」
...信乃はおちつかない悩ましい日を送った...
山本周五郎 「めおと蝶」
...悩ましい空気を醸(かも)して...
吉川英治 「新書太閤記」
ランダム例文:
博識の人 のんびりと 憎めないところがある
便利!手書き漢字入力検索