...思慮深い男は到底玉になれない筈である...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...思慮深い貴女(きじょ)のような物腰で女中のほうに向いていった...
有島武郎 「或る女」
...始終思慮深い目附をして...
石川啄木 「足跡」
...いま致しますよ」妙に思慮深い色が常子に現はれてゐた...
犬養健 「朧夜」
...猫は思慮深い哲学者といふものは...
薄田泣菫 「独楽園」
...思うにこれは寄手の方に誰か思慮深い者があって...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...加之(しかのみならず)彼女がそう云う過ちを犯す迄には、夫の思慮深い、ずっと前から計畫して段々とそこへ誘い込むようにした策略があったことを見逃してはならない...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...ところが思慮深い新聞社の方では...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...きわめて思慮深い女で少しも空想的ではなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...および特に思慮深い後処理...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...天に唾(つばき)して、自分で自分の顔を、汚すことになるかも知れんけんな」と、思慮深い語調で、無責任な群集をたしなめていた...
火野葦平 「花と龍」
...チチコフが如何(いか)に沈着で思慮深い人間であったにしても...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...私は強い、思慮深い、洗煉された人と(その人が男性であれ女性であれ)、話をするときには、世俗的な遠慮の關門を通り拔け、信頼の敷居(しきゐ)をよぎつて、彼等の心と觸れ合ふ所まで行かなくては落着けなかつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...でも良心的で、親切で、思慮深いので、罪を犯したというより、はめられたのじゃないかと思い始めました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...勘の良い思慮深い若い館員がムーアにそんな情報をくれた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...こんな状況下では配慮ある思慮深い行動だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「見えざる力」
...何んなに私達が多くの思慮深い額をあつめて...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...その思慮深い介三郎へ今さら何をいおう...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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