...変に暗くて気味が悪し、心細し、といいますうちにも、立込みまして、忙(せわ)しくって不可(いけ)ませんと申しましたら、お笑いなさいましたんでございます...
泉鏡花 「薄紅梅」
...これも他日薪炭に伐らるゝかと思へば、心細し...
大町桂月 「赤城山」
...江山に對すれば、天地は人間にあらざれども、嚢中を思へば、心細し...
大町桂月 「南洲留魂祠」
...嚢中を想へば心細し...
大町桂月 「春の筑波山」
...「養軒、何とか思へる、詞(ことば)もあやし、殊に日足もたけぬと見ゆ、雨なほそぼ降りて、けしきも心細し、さのみ行きいそぐべきにもあらず、人里に遠ざかりなばせんかたもあるまじ、猶(なほ)くはしく尋ね問ひて鬼のこと言はば、今夜は此里に宿りなんと言へば、養軒も同意して、それより家ごとに入りて尋ね問ふに、口々に鬼のこと言うて舌をふるはして恐る――」こうなってみると、さしもの南渓子(なんけいし)も、養軒子も、ようやく面の色が変ってきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...何時(いつ)旧(もと)のやうに御平癒(おなほり)あそばすやらと心細し...
樋口一葉 「うつせみ」
...何時舊のやうに御平癒(おなほり)あそばすやらと心細し...
樋口一葉 「うつせみ」
...新東宝の日本国中廻る珍道中もの、僕を主人公にといふ企画ときいてゐたが、これが変っちまったらしき様子、心細し...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...心細し、わが財布...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
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