...以前からガリレイのためになみなみならぬ心尽しをされたトスカナの大公爵はいつも彼の病床を見舞われて慰問をなし...
石原純 「ガリレオ・ガリレイ」
...さらに大きい幸福を何が僕に与えてくれるものか? 君たちの心尽しさえ僕には重荷になるだろう...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven、フランツ・ゲルハルト・ヴェーゲラー Franz Gerhard Wegeler、エレオノーレ・フォン・ブロイニング Eleonore von Breuning、ロマン・ロラン Romain Rolland 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...一針一針の赤糸に籠められた心尽しの身に沁(し)みない日本人はまず少ないであろう...
寺田寅彦 「千人針」
...姉が心尽しの弁当を楽(たの)しく開いた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...妻の心尽しで、餉台の上には酒の銚子まで並んでいました...
豊島与志雄 「香奠」
...そして数々の細かな心尽し...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...昨日まで寝巻のまんまでいたけれども、ここへ来て、お寺の心尽しで、娘らしい一通りの借着を着せてもらっているけれども、焼かれたのがほんの一重ねだけでもあれば……と思いやられるところへ、このイヤなおばさんの記念ばっかりは、仕立卸し同様に、こんなにしてわたしの眼の前にある...
中里介山 「大菩薩峠」
...それに伴う心尽しの甲斐でなければなりません...
中里介山 「大菩薩峠」
...それは女房の心尽しなどに対して余りに無頓着(むとんじゃく)過ぎる比田を一方に置いてこの姉の態度を見ると...
夏目漱石 「道草」
...「さア、私の心尽しです、一献」「有難く頂戴します」佐々村村一は赤酒のコップに波々(なみなみ)と受けて、黙礼をしたまま、それを唇に持って行くのです...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...足らわぬ我身の心尽しの助力をも受けて下さったのみならず...
穂積陳重 「法窓夜話」
...マダム・セレスティンの心尽しの晩餐だ...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...レオナさんの心尽しがこもつてゐたのであります...
牧野信一 「駒鳥の胸」
...私は井上大使のお心尽しの有難さに思わず泣いて...
三浦環 「お蝶夫人」
...第百八十七蠅取男(はいとりおとこ)心尽しの御馳走は十数日の後中川兄妹の苦心によりて漸く整いぬ...
村井弦斎 「食道楽」
...第百九十四 鮎と犢(こうし)鮎の料理は主人が今日の心尽しなり...
村井弦斎 「食道楽」
...御心尽しの御饗応(きょうおう)に蘇生の想いを致し候...
山下利三郎 「流転」
...午餐には眞山夫人の心尽しに成る食卓に就き...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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