...微かな音だにせぬ...
石川啄木 「散文詩」
...其眼に満干(さしひき)する微かな波をも見遁す事はなかつた...
石川啄木 「二筋の血」
...微かな笑い声を立てた...
梅崎春生 「桜島」
...微かなおとがする...
梅崎春生 「風宴」
...なに一つ動かない閑寂そのものの微かな溜息が...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...微かな足音が庭に聞える...
谷崎潤一郎 「鍵」
...さうやつて無言で向ひ合つてゐる中に次第に微かながらエロティッシュな興味が生じて来たからでもあつた...
中島敦 「夾竹桃の家の女」
...そこには又微かな興味が伴ふのである...
長塚節 「隣室の客」
...セエラはことという微かな音を聞きました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
......
原民喜 「かげろふ断章」
...爪先で微かなタクトをとりながら切(しき)りにそれに目を配つてゐるのであつた...
牧野信一 「階段」
...微かなしかもおそるべき威嚇がこもっていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...微かな寝息を立て初めるのだった...
矢田津世子 「女心拾遺」
...夜中の二時頃コッソリと屋上庭園へ来てみると世にも哀れっぽい微(かす)かな微かなあっしの声で...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...谷を隔てゝ黒い岩質の山が微かな夕の光を反射させてゐる...
吉江喬松 「山岳美觀」
...耳の後ろに微かな痣(あざ)があったと心得まする」「ヤッ...
吉川英治 「剣難女難」
...顔には代赭(たいしゃ)を耳の環には極めて微かながら金泥を落したらしい色すらある...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...その微かな顫(ふる)えを...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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