...心臓は微かながらまだ動いています...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...微かな響きが聞えてきた...
海野十三 「深夜の市長」
...泡のつぶやきのような微かな音が聞かれた...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...微かな物音が伝はつて来ます...
薄田泣菫 「茶立虫」
...微かな溜息をついてゐる...
薄田泣菫 「独楽園」
...日がな一日ぼりぼりと微かな歯音をたてて...
薄田泣菫 「独楽園」
...こそこそと微かな音を立てながら...
薄田泣菫 「独楽園」
...又は主客合一の境に入らうとしてゐるのが微かながらも指点(してん)された...
田山録弥 「自他の融合」
...何んなに石の心でもそこにさゝれ波の微かな濃淡の影を湛へずにはゐられるものではあるまい...
田山花袋 「道綱の母」
...つゞいて女のそつと近寄つて来る微かな呼吸を感じた...
田山録弥 「浴室」
...庄吉は、すっかり逆上してしまって、その眼は、殺気に輝いているし、米噛(こめかみ)は興奮にふくれているし――月丸の隙を覘(ねら)っていたが、微かな不安と、恐怖とがあって、突込んで行けば、抜討を食うかもしれないし(深雪の出ようによって――深雪への出ようによって、斬られるのは承知の上で、眼をつぶって一突き――)と、深雪と、月丸との間に立っている殺気の崩れ方を、考えていた...
直木三十五 「南国太平記」
...顏を赤らめた微かな事柄が火の如く自分の眼に映じた...
長塚節 「教師」
...まだ微かな湿った泥がこすりついている...
久生十蘭 「魔都」
...微かな悦びが感ぜられないこともなかつた...
牧野信一 「ブロンズまで」
...そして円周や弧線の上に続いてゐる絶えまもないそれらの瞬間の風に揺いでゐる帷のやうな中心にやがてあなたの落ちついた耳は颯々と迸りただ一すぢに疾走するその健気な意志のありかを聞きとらないでせうか? そしてまたそれの努力の頂点に華やかな円天井の頂きに代るがはる立ち現れては死んでゆく水の作つた小さなオレンヂのころころと閃めいて触れあふ微かな響をも間もなくあなたの心は捕へたいと願ふでせう...
三好達治 「測量船拾遺」
...微かな衝突であつた‥‥やがて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...我々の眼に映じたその微かな筋肉の動きと我々の感じたその内生とは...
和辻哲郎 「「自然」を深めよ」
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