...芭蕉の住した無常観は芭蕉崇拝者の信ずるやうに弱々しい感傷主義を含んだものではない...
芥川龍之介 「続芭蕉雑記」
...弱々しい身体で大きな頭を支えているのがやっとであった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...正面クリスチャン五世の騎馬像(ヘステン)に病人のような弱々しい陽脚(ひあし)がそそいで...
谷譲次 「踊る地平線」
...弱々しい声で万歳! と叫んだりした...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...」祖母は弱々しい微笑を浮べた...
豊島与志雄 「窓にさす影」
...その弱々しい優しさで助けられる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...弱々しい気持になつてゐた...
中戸川吉二 「イボタの虫」
...少し氣性の弱々しいのさへ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少し気性の弱々しいのさえ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そして口許にはたえず少女のやうな弱々しい微笑をちらつかせてゐた...
堀辰雄 「燃ゆる頬」
...三四年は山へこもる決心をして此処へ来ました」二十四五歳の弱々しい技師君である...
正木不如丘 「釣十二ヶ月」
...あれやこれやの弱々しい主観と観念が目立つ――つまり...
三好十郎 「恐怖の季節」
...それでもあれが聞きません時は私が責任を負います」などと大臣は最初の意気込みに似ない弱々しい申し出をしたが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「お母さん……」又その弱々しい腹のそこから出たような声音が...
室生犀星 「音楽時計」
...やおらモーニングの巨体を起して眼の前の安楽椅子に旅行服のままかしこまっている弱々しい禿頭(とくとう)の老人の眼の前にその号外を突付けた...
夢野久作 「人間レコード」
...彼は弱々しい嘆息(たんそく)をあげて...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...弱々しい貴公子が...
吉川英治 「三国志」
...しかし我々はこの表出にもっと弱々しい倍音の響いているのを感ずる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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