...あぐんでいる身体(からだ)を自分で引き立て...
岩野泡鳴 「耽溺」
...そうか」府尹は捕卒に許宣を引き立てて王主人の家へ往かした...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...間もなく寝呆けている卓連俊を引き立てて降りて来る...
林不忘 「安重根」
...幸子も気を引き立てて云った...
谷崎潤一郎 「細雪」
...自分は引き立て役だという未亡人の言は必ずしも謙遜(けんそん)ではないが...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...ちょうどそこへ山本氏の著書が現われて自分の手をとって引き立てるのであった...
寺田寅彦 「自画像」
...生徒の生涯(しょうがい)を貫ぬいてその魂を導き引き立てるような貴いありがたい影響はどこにもなくなるだろう...
寺田寅彦 「蓄音機」
...表を通る俥や人の足音に耳を引き立てているようであった...
徳田秋声 「足迹」
...椅子に向かえる窓の帷(とばり)を少し引き立てながら...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...改めて庄公を引き立て...
中里介山 「大菩薩峠」
...お園を引き立てました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...王女が灰色の外套を着た男たちに引き立てられてゆくところを見て...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...橘を引き立てて奥に入る...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...それを引き立てるやうな風采と態度を持つてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...そこで私はともすれば滅入りそうな自分の心を引き立てようとして...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...また一方を引き立てるためには一方のことを極端に悪いことずくめに書く...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ここまでお引き立てくださいました御好意を忘れるものでございませんが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私らは山崎君には大変引き立てられた方だった...
柳田国男 「故郷七十年」
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