...天井と四方の壁に張りつめた鏡に幾重にも重なり合って反射し...
江戸川乱歩 「影男」
...幾重にもある箱をすっかり開かねばならないことがしばしばあった...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...幾重にも希望仕(つかまつり)候...
田山花袋 「蒲団」
...山は幾重にも折りかさなり道は幾條にも分れてゐる...
永井荷風 「十年振」
...雲が幾重にも山を浮べ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...それは幾重にもお許しを願って...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...幾重にも肩覆いを重ねた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...これはその筒状をした葉鞘が前述のように幾重にも巻き襲(かさ)なって直立した茎の形を偽装しており...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...谿谷の襞(ひだ)は地球が熱かった時代の柔かさと豊かさを語るように幾重にも折りたたまれ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...なんとか水温を上げる工夫は無いかなあ?金吾 いろいろ私も考えやしたが――ここらでは昔っから取入れ口をこんな風にアゼを幾重にもつきやして...
三好十郎 「樹氷」
...御体、幾重にも、御自愛下さい...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...わたくしから幾重にもお願い申上る次第でございます」それは僅か十五六の少女にしては立派過ぎた挨拶ぶりであった...
夢野久作 「暗黒公使」
...人さし指には布を幾重にも卷いておく...
横瀬夜雨 「田舍の新春」
...幾重にも、そこばかりを囲んで離れなかった捕手たちは、袋の中のものを抑えるような考えでいたが、やがて、塗籠(ぬりごめ)の隙間から異臭のある煙が洩れだしたので、「気をつけろ、中に、硝薬(しょうやく)があるッ」と、ひとりが呶鳴った...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...幾重にもおゆるしの程を……」「その詫言(わびごと)はもう遅い...
吉川英治 「剣難女難」
...その辺も、心配すな」「では、われらからは、特に申し入れは要(い)りませぬか」「いや、真田どのは真田どので、従来のいきさつを詫び、幾重にも、加勢を頼むにしくはない」「わかりました...
吉川英治 「新書太閤記」
...失礼のだんは幾重にもひとつ御用捨のほどを」おかしいくらい恐縮する...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その両手と胴とを幾重にも巻いた縛(いまし)めの紐(ひも)は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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