...「懸賞」にすることを已むを得ず撤回して...
海野十三 「軍用鼠」
...已むを得ず旧地(もとぢ)の新橋駅から...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...二圓餘りし金、四十錢を二人の女に祝儀にやりたれば、餘す所は、わづかに一圓六十錢、ぐず/\して居れば、又一人來さうな氣色なれば、已むを得ず、切り上げて眠る...
大町桂月 「春の筑波山」
...已むを得ず、片足だけは、一本齒にて、のそ/\たどりゆく...
大町桂月 「風船玉」
...今日は、歩くがいやなりとて、保田より汽船に乘らむとせしが、二番船出でずといふに、已むを得ず、われらと共に歩きぬ...
大町桂月 「房州の一夏」
...已むを得ず之に乘る...
大町桂月 「町田村の香雪園」
...文太郎は他の用事に携はつて居る時は已むを得ず春三郎自身が磨かなければならなかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...「えゝ三だけの望はあります」と醫者は已むを得ず答へた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...從つて背中も胴も痛むので病人は覺えず死力を出して寢返りを打たうとすると其板の如く腫脹してゐる腹は遮二無二突張つて是亦耐へ難き痛みを起すので已むを得ず又原(もと)の位置に復した...
高濱虚子 「續俳諧師」
...春三郎は手に刃を持つて居れば後から其冷刻な臭骸を屠つて遣り度いと迄逆上したが病人の事も氣になつて已むを得ず踵を返した...
高濱虚子 「續俳諧師」
...已むを得ず僕もシャツだけの乱暴な風体のままで...
辰野隆 「感傷主義」
...已むを得ず寝間着の袖で霜を拭い落した...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...魏略は女王國より帶方郡に至る距離を萬二千餘里としたるも、范曄は漢時未だ有らざる郡より起算するを得ざれば、已むを得ず、漢時已に有りたる樂浪郡の徼より起算せしなり...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...已むを得ず自働車にて帰る...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...何しても判らぬから已むを得ず或るバラモンの物識に逢うて之を問ふた...
松本文三郎 「世界に於ける印度」
...已むを得ず友人に貸して居た金を五六圓集めて...
三島霜川 「自傳」
...已むを得ず乞胸の配下になつたので...
三田村鳶魚 「物貰ひの話」
...已むを得ずして後法に従ふこともある筈である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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