...又増田が花翁といふ尤もらしい俳號であることも三藏は此時初めて知つた...
高濱虚子 「俳諧師」
...その時教養とは尤もらしいが極めて退屈な文化人的ポーズに過ぎなくなるし...
戸坂潤 「現代科学教育論」
...恐らく彼は一くさりの尤もらしい満蒙経綸策を付け加えることを忘れないだろう...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...仮に島木が今よりも遙かに尤もらしい社会的地位にでも登っていたとしても...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...而も唯一の尤もらしい口実だったのである...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...それに近くて而も尤もらしい他の概念で以て何とか説明して見ようと思うからである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...つまり現代における思想のエーヤポケット(併し思想というものが何を意味するかに根本問題があるということを予め注意しておこう)を充たすべき或る尤もらしいものでさえあればいいので...
戸坂潤 「思想としての文学」
...つかまるものは尤もらしい小物ばかりで大物は結局物にならず又物にしないのだろう...
戸坂潤 「社会時評」
...例えば全体性・体験・ゲマインシャフト・などという「哲学的」に尤もらしい諸範疇の強調は...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...尤もらしい疑いも成立しないことになりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「すると?」八五郎は一とかど尤もらしい顏をして見せます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...御大家の御使者見たいな尤もらしい顔をして入って来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御大家の御使者見たいな尤もらしい顏をして入つて來ました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いかにも尤もらしい偽装と巧みな操縦によって彼をまんまと丸めこんでしまったため...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...怖ろしく尤もらしい顔付をして...
牧野信一 「砂浜」
...相当の思想を持つてゐる者のやうな尤もらしい表情をした...
牧野信一 「スプリングコート」
...」などゝ云ひながら尤もらしい顔付をして...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...聞き手になっている飯尾さんの尤もらしい表情には母を憫れむような恩恵を施すような微笑が優しく動いている...
矢田津世子 「父」
便利!手書き漢字入力検索