...彼のこの子供らしい単純な見栄にはみんなただ笑うより仕方がありませんでした...
伊藤野枝 「ある男の堕落」
...子供らしい無邪気と向不見(むこうみず)な勇気をもつてゐる人です...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...子供らしい興奮が現われている...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...あゝいふ風に考へた点が子供らしい...
田山録弥 「孤独と法身」
...その結果から曲りなりに表面張力を算出して先生にほめられたりしたことが今思い出しても可笑(おか)しいような子供らしい嬉しさを感じさせるのである...
寺田寅彦 「科学に志す人へ」
...祖父(そふ)の教(おしえ)と子供らしい夢(ゆめ)とで一ぱいになっていた...
ロマン・ローラン 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...子供らしい馬鹿げたことやかわいらしいことをしてるクリストフの子供の姿を眼の前に描きだすことは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その中に子供らしい奇体な物語があるのだと見ています...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...マブーフ氏はその子供らしい尊い謹厳さをもって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...いつも帝は幼年学校で生徒に交つて遊戯をして、生徒の真ん中に立つてゐて、子供らしい、無邪気な事を言つたり、又友達のやうに親切な事を言つたり、又改まつて晴れがましい事を言つたりせられた...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...ひつこみがちな憂鬱な子供が太陽の光のしたでのみ授かることのできる自然についての子供らしい智識をたくはへたところ...
中勘助 「銀の匙」
...彼ほど子供らしい純潔と卒直さをもつた人間はない...
萩原朔太郎 「愛の詩集」
...しかしそれは一昨日あなたに御挨拶をいたさずに逃げ出そうと決心いたしたのが子供らしいと申すのではございません...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...自分でも子供らしい怨言(うらみごと)だと気がついて...
水上滝太郎 「遺産」
...子供らしい、ぼうっとした心持で、脇へ避けて、アルピの野の小家に住むように、家の中でする程の事は、皆小さい天地の間に限られている...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...子供らしいが辛辣な批評をさえ投げつけている...
山本周五郎 「菊屋敷」
...まだどこかに子供らしい感じの残った...
山本周五郎 「風流太平記」
...子供らしい口ぶりになっていた...
吉川英治 「神州天馬侠」
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