...端近い女部屋から終(つい)に奥深い女部屋に伝わった...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...奥深い廊下のあたりが薄暗く何と無く気味悪かった...
梅崎春生 「風宴」
...生涯のいかなる時代にもせよ――それらの奥深い親しい声は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして持ち前の美しいアルトの最も奥深い音をまろばしながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その光の届かないどこか奥深い暗闇の中に...
豊島与志雄 「古井戸」
...新樹の茂りに家の屋根も外からは見えない奥深い一構(ひとかまえ)がある...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...もともと非常に奥深いもので...
中谷宇吉郎 「樹氷の科学」
...奥深い店の、奥の方の棚に、真鍮(しんちゅう)の火鉢の見本が並(なら)べてあるのが、陽(ひ)の光がどこからさすのか、朝の間のある時、通りがかりに覗(のぞ)きこむと、黄色くキラキラ光っていて、黄昏(たそがれ)に御仏壇を覗(のぞ)いたような店の家だった...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...奥深い玄関なので...
林芙美子 「浮雲」
...どの店も奥深い感じなり...
林芙美子 「新版 放浪記」
...奥深い木立に包まれた...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...奥深いところで垂れこめているうちに...
久生十蘭 「無月物語」
...塗りつぶしたような奥深い原始林などによってわれわれを妖(あや)しくひきつけてからどのくらい日がたったことであろう...
細井吉造 「二つの松川」
...個性について個性の奥深い殿堂に到(いた)る道はテーバイの町の門の数のように多い...
三木清 「人生論ノート」
...茶釜の澄んだ奥深い謹しみ深い鳴りようを...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...郷士たちは奥深い詰部屋(つめべや)に寝込んだものか...
吉川英治 「江戸三国志」
...そして水鳥亭の奥深い前栽を外へよろめき出て来ると...
吉川英治 「私本太平記」
...廟道(びょうどう)は奥深い...
吉川英治 「新・水滸伝」
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