...と歌い弾じたお軽の奥ゆかしい心根...
上村松園 「軽女」
...同時にそれぞれ奥ゆかしい眉を示していたものである...
上村松園 「眉の記」
...何だか一寸奥ゆかしい点(ところ)が無いでもない...
薄田泣菫 「茶話」
...奥ゆかしいその物ごしを見せられてますますその女が慕(した)わしくなった...
田中貢太郎 「悪僧」
...どこか奥ゆかしい風をしてゐた...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...その奥ゆかしい寂しい風致に...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...教養のある奥ゆかしいところがあって...
久生十蘭 「キャラコさん」
...そんな奥ゆかしい事は更(さ)らに覚えはなかったのです...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...十歳以上十九か二十歳(はたち)の少年にそんな六(むず)かしい奥ゆかしい考(かんがえ)のあるべき筈(はず)はない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...しかし中々奥ゆかしい色である事は受け合うておく...
牧野富太郎 「植物記」
...奥ゆかしいところは欠けて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...奥ゆかしい佳人の存在と人から認められていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...こちらを見上げた今一人にはきわめて奥ゆかしい貴女(きじょ)らしさがあった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...朝の旭のとどかぬ間の石の面の落着きの深さは譬えようもなく奥ゆかしい...
室生犀星 「庭をつくる人」
...何となく奥ゆかしいので...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...ああ皆さん、自分は老年の今日までもその美しい容貌(かおかたち)、その優美な清(すず)しい目、その光沢(つや)のある緑の鬢(びんずら)、なかんずくおとなしやかな、奥ゆかしい、そのたおやかな花の姿を、ありありと心に覚えている……が……悲しいかな、その月と眺められ、花も及ばずと眺められた、その人は今いずこにあるか...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...文豪の旧宅が互(たがひ)に贈答をする習慣も奥ゆかしい...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...実は近寄つて見ると巨石を用ひた英仏の古い奥ゆかしい建築と異(ちが)つて...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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