...それから、ふたりはレンガ建ての書斎のあたりで、夜明け近くまで、何かゴトゴトと、しきりに働いていた...
江戸川乱歩 「影男」
...女中部屋の縁(へり)のない赤ちゃけた畳、びんつけ油のにおい、竹の行李(こうり)の底から恥かしき三徳(さんとく)出して、一枚、二枚とくしゃくしゃの紙幣、わが目前にならべられて与えられたような気がして、夜明けと共に、電話した...
太宰治 「二十世紀旗手」
......
種田山頭火 「行乞記」
...その時は残念ながら夜明けを待つほかはないのです...
富永太郎 「忠告」
...夜明け前の闇中ではよく見えるのである...
豊島与志雄 「憑きもの」
...まだ夜明け時分ではあり...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜明け前に品川へ引返した滝松は恐ろしい人間だよ」「久太郎は? 親分」「叔母をからかったのは少しやりすぎだが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...空の低いところに仄白い夜明けの色が漂い...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...夜明けごろ死体を検視するために呼ばれて行った...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...もう東から夏の夜明けが始まり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...あの隙見(すきみ)をした夜明けのことと思い比べられた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...もう夜明け近くなってから帝は常の御殿へお帰りになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...六万三郎は夜明け前に小屋へ帰って来た...
山本周五郎 「風流太平記」
...「そうだ、夜明けまでの体、愚図愚図しちゃいられねえ」代地河岸の砂利場へ潜んで、しばらく、様子を窺(うかが)っていた雲霧は、やがて、権内の家の裏塀を越えて、何の苦もなく、忍びこんだ...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...自分の一代のうちにこういう夜明けを待とうとは思ってもみない事だった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...おことはそれをもって窓にさしていた夜明けの光というたが...
吉川英治 「親鸞」
...夜明けの光がほの白むのが近い兆(しる)しである...
吉川英治 「平の将門」
...こうして夜明けを待っていても...
吉川英治 「宮本武蔵」
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