...松の浮根に乗っていた小供は二人の前へ立ち塞がるように出た...
田中貢太郎 「放生津物語」
...気がついたように戸口(ドア)へよろめいて立ち塞がる)それは何のことだ...
林不忘 「安重根」
...さう云つてそこに立ち塞がると...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...それを聴いていて胸が塞がるような気がした...
近松秋江 「うつり香」
...人様に飛びかかって」お君は身を以てムクの前に立ち塞がる...
中里介山 「大菩薩峠」
...ズッと立ち塞がる怪しいお菰(こも)の前へ突き出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...人々が騒々しく其松魚を囲んで立ち塞がる...
長塚節 「隣室の客」
...時間が十二時を打っても機械が止まっても汽笛の鳴らぬ間(うち)は飯食いにやらぬと出口に立ち塞がる...
根岸正吉 「須賀爺」
...今開けたばかりの裏門を押して、横つ飛に飛込むと、大地の上に尻餅(しりもち)を搗(つ)いた權助は、麩(ふ)に飽きた金魚のやうに、口をモグ/\させ乍らも、あまりの事に聲も立て得ず、兩手の指を交る/″\に突き出して、前方に立塞がる、海鼠塀(なまこべい)の土藏を指すのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...戸口に立ち塞がる人波を掻き分けて入ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「二階をちよいと見せて貰はうか」平次は立ち塞がるお早を拂ひ退けるやうに突き上りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その鼻の先に立塞がる土藏が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そこには行くへに立塞がる神聖者の侵し難き尊嚴といふが如きものは無い...
波多野精一 「時と永遠」
...その前に立ち塞がる...
久生十蘭 「魔都」
...喜悦のために呼吸も塞がるほどなりき...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...二度目は太宰さんが何となくお可哀想になってきて胸が塞がる...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...御短慮でございます」こう叫びながら立ち塞がる者があった...
山本周五郎 「菊千代抄」
...血のなかに生きている父祖三百年の伝統が前へたち塞がるのだ...
山本周五郎 「新潮記」
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