...此の如きは未だ問題を其焦點に持來すことを知らざる無自覺の閑葛藤であつて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...長閑(のどか)な一夜の睦言(むつごと)を遂げさせたい親切にほかならぬ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...毎朝の仕事のようにしてよんでいた演芸風聞録が読めないのでなんだか顔でも洗いそこなったような気持ちのする閑人(ひまじん)もあったろう...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...その旧街道を徒歩で辿るような閑な旅客は殆んどなく...
豊島与志雄 「逢魔の刻」
...全然閑却(かんきゃく)されてしまった米友...
中里介山 「大菩薩峠」
...ひっそり閑(かん)と暮しておると聞いたら...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...急行列車が一杯で窮屈だつた抔といふ閑文字が数行列ねてある...
夏目漱石 「それから」
...私(わたくし)も近頃(ちかごろ)は寧(むし)ろ閑(ひま)な方(はう)ですから...
夏目漱石 「門」
...これだって一室の中(うち)に閉居して安閑と躄(いざり)の修行をするのではない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...朝の道場は森閑として...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...閑居鳥(かんこどり)寺(てら)見ゆ麦林寺(ばくりんじ)とやいふ夏の日の田舎道...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...急に仕事の方が忙しくて材料の吟味に山を越える閑もなかつた...
牧野信一 「鬼涙村」
...元日も源氏は外出の要がなかったから長閑(のどか)であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...街道は森閑として只縁側に猫が居るだけであった...
柳田國男 「どら猫観察記」
...病を養う閑枝にとっては一殊淋しいものではあったが...
山本禾太郎 「仙人掌の花」
...其内春が來て長閑に成りましたから...
横瀬夜雨 「花守」
...長谷川如是閑氏との対談に...
吉川英治 「随筆 新平家」
...一閑(いっかん)殿と申されて...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
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