...眼(まなこ)は大空(おほぞら)の閑(のど)かなる影を映して...
アダ・ネグリ Ada Negri 上田敏訳 「母」
...典型的な有閑階級に属する人間でした...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...閑鴎の浮ぶが如く見えしが...
大町桂月 「南洲留魂祠」
...彼女は舅(しゅうと)の一閑斎や夫則重の顔のまん中に満足な鼻が附いているのを見るにつけても...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...――高台で閑静で家も土地も清らかであり市街や山野の遠望も佳い...
種田山頭火 「一草庵日記」
...一草閑談七月廿七日晴...
種田山頭火 「松山日記」
...閑古鳥や山鳩が、遠くで緩い伴奏を続けてゐた...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...閑雅にひたされる...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの男も近頃少し閑暇(ひま)になったようなもののやっぱり...
夏目漱石 「明暗」
...森閑と静まりかえった遠い廊下の端の方で...
久生十蘭 「魔都」
...」閑太郎はポケツトからホワイト絵具を二本つかみ出し...
牧野信一 「朝居の話」
...閑暇さえ得られるならば...
三上義夫 「数学史の研究に就きて」
...一昨日よりも深く心に長閑にかんじられた...
室生犀星 「とかげ」
...それだからといって手を休めて安閑と遊んでいた訳ではない...
矢田津世子 「神楽坂」
...又濃紅姫の閑雅(しとやか)な美しさも藍丸王の御眼に留(と)まって...
夢野久作 「白髪小僧」
...その西側の細骨障子には黄色い夕陽が長閑(のどか)に...
夢野久作 「名君忠之」
...今は収穫前の農閑期だのに...
横光利一 「夜の靴」
...忙裏 山我(ワレ)ヲ看(ミ)ル閑中 我山ヲ看ル相看(アヒミ)レド相似ルニアラズ忙ハ総(スベ)テ閑ニ及バズという戴文公(たいぶんこう)の詩であった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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