...一瞬間にゲッソリとこけた土気色の頬...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...純之進の目にのみ月代の土気色をした若者の姿は見えた...
江見水蔭 「丹那山の怪」
...同様に土気色になり眼をつぶり...
田中英光 「さようなら」
...土気色(つちけいろ)をした先生の顔にも...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...顔は土気色で、紫の唇が息を出し入れするたびに泡を吹く――虫の息だ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「株式仲買人」
...伯父は下唇を曲げ、目玉をひん剥いて、頬も土気色、目の先にはわなわなする手にまだ掴んでいる封筒、「KKK!」と伯父は叫んだのです、そして『主よ主よ、罪の報いだ!』と...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...土気色になってもう命の瀬戸ぎわ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...顔も唇もおなじような土気色になり...
久生十蘭 「新西遊記」
...もう唇が土気色になって...
久生十蘭 「魔都」
...家(うち)も見窄(みすぼ)らしかったが、主人も襟垢(えりあか)の附た、近く寄ったら悪臭(わるぐさ)い匂(におい)が紛(ぷん)としそうな、銘仙(めいせん)か何かの衣服(きもの)で、銀縁眼鏡(ぎんぶちめがね)で、汚い髯(ひげ)の処斑(ところまだら)に生えた、土気色をした、一寸(ちょっと)見れば病人のような、陰気な、くすんだ人で、ねちねちとした弁で、面(かお)を看合(みあわ)せると急いで俯向(うつむ)いて了う癖がある...
二葉亭四迷 「平凡」
...それにこの恐(おッそ)ろしい臭気は! 随分と土気色になったなア! ……これで明日(あす)明後日(あさって)となったら――ええ思遣られる...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...かみそりの当った土気色の顔に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...その肋木に両腕をしばりつけられて、土気色の顔の、眼をつぶり、青バナを垂らし、ヒクヒクとあえいでいる片倉友吉...
三好十郎 「その人を知らず」
...土気色に顔を変じて...
吉川英治 「三国志」
...殿(でん)ノ法印(ほういん)もふたたびそれに追いすがる気力を土気色な顔に失っていた...
吉川英治 「私本太平記」
...面を土気色にしているのであった...
吉川英治 「私本太平記」
...まったく土気色(つちけいろ)になってしまった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...土気色な面(おもて)をして...
吉川英治 「山浦清麿」
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