...図らずも汝(なんじ)に苦痛を与えることになった...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...そこに図らずも陸の果てがあったので...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...図らずもここで読むことが出来たのである...
石川欣一 「比島投降記」
...殊に安永八年には図らずも罪を得て十一月二十日に牢獄(ろうごく)につながれることとなり...
石原純 「平賀源内」
...一同図らずも大声を発して叫んだ...
井上円了 「おばけの正体」
...端から9インチ以内にあった下水が図らずも止まって井戸のなかに漏れた...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...図らずも考が別々であることを見出した...
谷崎潤一郎 「細雪」
...然(しか)るに図らずもダンスの稽古は...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...そして図らずもその群の中から彼女を見出(みいだ)す...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...この唄を下座(げざ)に使っているのを図らずも聴いたが...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...図らず道づれに相なり候は...
永井荷風 「榎物語」
...夜清元会にて図らず葵山子に逢ふ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...図らずも教員室で...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...今年図らず寺島町の路端でめぐり逢った時とを思合せると...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...図らずも婦女子の弱体すらなおこれに堪(た)え得たる有様なるを以て...
野中到 「寒中滞岳記」
...君と共に咽ぶ筈の山の霧であるが君なき後とて図らずも杜鵑と二人で咽んでゐる所ですとあの世の人へ報告する心持も持つてゐるやうな歌である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...図らずも巨額の印税にあり付いたので...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...自分は弟どもの世に出るのを裏から助けて、一種の犠牲になったような感じを秘かにもっていたのに、図らずも、その自分に玉の御声が掛けられたと感激して、非常に生きる張り合いを覚えたわけであったろう...
柳田国男 「故郷七十年」
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