...こういう凡人の相貌を芸術化するという稀有(けう)な役割を持つ能面が、野卑な悪写実に走らずして、最も高雅な方向に向ったのは、一に当時の洗煉(せんれん)された一般的美意識によると共に、能楽という演技そのものが、その発祥を格式を尚(たっと)ぶ社寺のうちに持ち、謡曲のうしろには五山の碩学(せきがく)が厳として控えて居り、啓書記、兆殿司(ちょうでんす)、斗南、鉄舟徳済というような禅門書画家の輩出数うるに遑(いとま)なきほどの社会的雰囲気の中に育ち、わけて天才世阿弥のような実技者のきびしい幽玄思想に導かれた事によるのである...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...すでに、僞印譜とあるから、どれも一見して、僞印とわかる程度のものだが、古い所は、周文、雪舟、啓書記、秋月、雪村、また古法眼だの、山樂や永徳、文人畫の大雅、玉堂、木米、竹田、蕪村、崋山、四條派の應擧、呉春から明治の雅邦、芳崖にいたるまで、大家といふ大家の印で、ないものはない...
吉川英治 「折々の記」
...啓書記(けいしょき)...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...赤脚子も啓書記も...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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