...万作も急げっ」口早にいって、料紙へ、何か認(したた)めながら、三人が「では、行って参ります」手をつくと「それから――出口の、新納(にいろ)殿のところへ、飛脚を出したいから、一人、急いで、寄越すようにと、問屋場へ、立寄って、註文して参れ、急ぐぞ」三人は、命にかかわる、との言葉と、常の様子でない、矢五太夫の態度とに、何か、大事が起ったとは察しられたが、それが、何か判らぬので、不安を感じながら、廊下へ出た...
直木三十五 「南国太平記」
...前の四頭(よっつ)は拘(かま)わねえから新宿の問屋場へ抛(ほう)り込んで...
中里介山 「大菩薩峠」
...こうして裸松は問屋場へ担(かつ)ぎ込まれる一方...
中里介山 「大菩薩峠」
...もうノコノコと問屋場へ出かけて来て...
中里介山 「大菩薩峠」
...早くも二人の姿を見つけた問屋場(といやば)で...
中里介山 「大菩薩峠」
...半次はもと何處かの問屋場に居たさうで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何んか話さなかつたか」「戸塚から問屋場の駕籠に乘つて品川まで通し...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...問屋場ぢや一円七十銭の値が崩れようとしてけつからあね...
三好十郎 「妻恋行」
...六番目は誰です」「追分け三五郎」「七番は」「尾張の大野の鶴吉」「八番は」「尾張の桶屋の吉五郎」「九番は」「三保の松五郎」「十番は」「問屋場の大熊」「十一番は」「よせやい...
山中貞雄 「森の石松」
...「猪之松(いのまつ)」という問屋場の店先を一人の浪人が通りかかった...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...宿端(しゅくはず)れや問屋場の附近は...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして八ツ山口の問屋場から早駕(はや)を仕立てさせ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...はや見えている岡崎の城下、問屋場まで、徒歩(かち)で駈けても、仔細はござらぬ』『では、お急ぎなされたがよかろう』『然らば、通っても?』『天下の大道』一学は、顔を上げて、明るく笑った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...間違いなくこの街道へ折れたという問屋場(といやば)の話であった」「ふウむ……そうか...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...以来問屋場の駅夫のなかに交(ま)じって...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...二問屋場の人足だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...三百里先へ行こうと、道中の宿場問屋に渡しておいてさえくれれば、下(くだ)りのお客が荷物を積んで、いつか大津の問屋小屋へ帰(け)えって来ることになっているんだから」「では、江戸表まで、いかほど払ったらよいのか」「じゃあ、通り道だ、問屋場へ寄って、お名前を書いて行っておくんなさい」なにかの支度にも好都合、武蔵はいわるるままにそこへ立ち寄る...
吉川英治 「宮本武蔵」
...問屋場役人の呶鳴る声だの...
吉川英治 「宮本武蔵」
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