...婆やが塩水を含ませたのが浸(し)みて...
鈴木三重吉 「桑の実」
...又考へ方によつては氣象學上の意味をも含んで居る...
寺田寅彦 「天文と俳句」
...* Alf. Weber, Ideen zur Staats- und Kultursoziologie (1912―1927) S. 45 ――之は Der soziologische Kulturbegriff, 1912 という論文を含む...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...之に反してかかる相対空間の総てを含みこれがその内に於て始めて運動し得るものとなるような空間は絶対空間である...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...笑いをさえ含んだ調子で...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...「家へは帰って来てはいけない」と言って暗(あん)にその意を含(ふく)ませ...
永井荷風 「ひかげの花」
...こんなに長い時間を含んで居ながら卒讀した所では夫れが際立つて感じないのは...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...雜咏十六首足曳のやつ田のくろの揚げ土にほろ/\落る楢の木の花鋸の齒なす諸葉の眞中ゆもつら抽きたてるたむぽゝの花春の田を耕し人のゆきかひに泥にまみれし鼠麹草(はゝこくさ)の花うつばりの鼠の耳に似たる葉のたぐひ宜しきその耳菜草あら鋤田のくろの杉菜におひまじり黄色にさけるつる苦菜(にがな)の花鍋につく炭掻きもちてこゝと塗りたれ戯れのそら豆の花春雨の洗へど去らずそら豆のうらわか莢の尻につくもの筑波嶺のたをりの路のくさ群に白くさきたる一りむさうの花藪陰のおどろがさえにはひまどひ蕗の葉に散る忍冬の花きその宵雨過ぎしかば棕櫚の葉に散りてたまれるしゆろの樹の花よひに掃きてあしたさやけき庭の面にこぼれてしるき錦木の花かはづなく水田のさきの樹群にししら/\見ゆる莢(がまずみ)の花袷きる鬼怒の川邊をゆきしかばい引き持てこしみやこぐさの花いちじろくほに抜く麥にまつはりてありなしにさく猪殃々(やへむぐら)の花暑き日の照る日のころとすなはちにかさ指し開く人參の花筑波嶺のみちの邂逅(ゆきあひ)にやまびとゆ聞きて知りたるやまぶきさうの花反古一片明治三十六年八月八日の夕暮に伊勢の山田につく、九日外宮より内宮に詣づ、目にふるゝ物皆たふとく覺ゆるに白丁のほのめくを見てよめる歌三首かしこきや神の白丁(よぼろ)は眞さやけき御裳濯川に水は汲ますも白栲のよぼろのおりて水は汲む御裳濯川に口漱ぎけり蘿蒸せる杉の落葉のこぼれしを白丁はひりふ宮の垣内にこの日、鳥羽の港より船に乘りて熊野へ志す、志摩國麥崎といふをあとに見てすゝむ程に日は山のうしろに沈みぬ、このとき文魚(とびのうお)というものゝとぶこと頻りなればよみける歌のうち三首大和嶺に日が隱ろへば眞藍なす浪の穗ぬれに文魚の飛ぶ見ゆ眞熊野のすゞしき海に飛ぶ文魚の尾鰭張り飛び浪の穗に落つおもしろの文魚かも枕これの船路の思ひ出にせむ戯れに萬葉崇拜者に與ふる歌并短歌筑波嶺の裾曲の田居も、葭分になづみ漕ぎけむ、いにしへに在りけることゝ、あらずとは我は知らず、おそ人の物へい往くと、獨往かば迷ひすの、二人しては往きの礙(さは)らひ、妻の子が心盡して、籾の殼そこにしければ、踏みわたる溝のへにして、春風の吹きの拂ひに、籾の殼水に泛きしを、そこをだに超えてすゝむと、我妹子が木綿花つみて、織りにける衣も濡れて、泥にさへいたく塗れて、泣く/\にかへらひにける、おそ人とこを聞く人の、豈嗤はざれや(三十七年六月)短歌萬葉は道の直道然れども心して行けおほにあらずして萬葉は兒の手柏の二面に三面四面に八面(おもて)に見よ藍染の衣きる人は藍の如ひいでむとこそ心はあるらめ筍のひでもひでずも萬葉の閾を超えて外に出でざめや明治三十七年一月三十一日長妹とし子一女を擧ぐ、長歌一篇を賦しておくる、篇中の地はとし子が居住に接せり、歌に曰く朝月の敏鎌つらなめ、馬草刈りきほふ處女の、朱の緒の笠緒の原の、したもえの春さりあへず、やすらけくあれし女の子は、垂乳根の母が乳房を、時なくと含む脣、脣のつゝめる奥に、飯粒(いひぼ)なす白齒かそけく、足手振り笑むらむさまを、家こぞり待つらむものぞ、はや大にあれ...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...道義的情操に関する言辞(詩歌感想を含む)は其(その)言辞を実現し得たるとき始めて他(た)をして其(その)誠実を肯(うけが)はしむるのが常である...
夏目漱石 「艇長の遺書と中佐の詩」
...粉薬(こぐすり)のまま含嗽剤(がんそうざい)を受取って...
夏目漱石 「門」
...こっちの随意たるべき鳴く事さえ含まってるように考えるのは失敬千万だ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...平次の問ひに含まれた重大な意味に怯(おび)えた樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...警部補がまた含み笑いした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...何らかの程度において人間の天寿を短縮するに役立つあらゆる原因を含むものである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...飜譯できないものが含まれるのである...
三木清 「哲學はやさしくできないか」
...かえって静的なるものに固定する傾向を含むところの...
三木清 「マルクス主義と唯物論」
...かえって無限の「有」を包含する「無」と見ねばならない...
柳宗悦 「民藝四十年」
...杯を含んでいる対手(あいて)へ光った...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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