...要するに逃げながら吠える犬のさもしさに過ぎない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...犬の吠えるのを見るがいゝ...
高田保 「貸家を探す話」
...獣の吠える声がますます凄く聞えた...
田中貢太郎 「狼の怪」
...吠える犬はほんとうに臆病だつた...
種田山頭火 「行乞記」
...見るとそこには山も川もあり、ムジナや魚もたくさんいて、どっさり魚をつるした家々があって、犬がしきりに吠えついて来たが、そこにいる人間は老人たちの来た姿が見えないらしく、犬が吠えるので、「ばけものでも来たのではないか、ぼろをいぶして魔よけにしろ!」といって、ぼろに火をつけていぶしていた...
知里真志保 「あの世の入口」
...犬の吠えるのも静まり返った時分のことであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...吠える犬は噛み付かない」「へエ――」「その上...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...実をいへば詩集「月に吠える」出版の時...
萩原朔太郎 「蒲原有明に帰れ」
...闇夜(やみよ)に吠える黒犬は...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...後篇は第一詩集「月に吠える」の拾遺と見るべきである...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...すべて「月に吠える」前派の傾向と見られたい...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...月に吠える犬は、自分の影に怪しみ恐れて吠えるのである...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...吠える犬もなく――ただ灰のみがあった...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「琴」
...「犬山伏」に犬ビョウビョウと吠える...
南方熊楠 「十二支考」
...堀は庭へ吠える真似をしてたが昼のうちはあまり発作がなかった...
室生犀星 「蛾」
...吠えるやうな大喝一声に...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...するとその晩おそくワンワンワンとはげしく犬が吠える声と一緒に...
夢野久作 「犬と人形」
...」と吠えるやうな...
吉江喬松 「山岳美觀」
便利!手書き漢字入力検索