...ある名状しがたい心の疲労に...
芥川龍之介 「偸盗」
...と思えば他の男のことは不思議になんとも感じないのに、ただそればかりが愛情の妨げになって、名状しがたい、浅ましい汚辱を感じて堪えられない...
近松秋江 「うつり香」
...この名状しがたい合金を造るに協力する際に於て...
ボードレール 富永太郎訳 「人工天国」
...彼は鶏卵(たまご)とも蛙(かえる)とも何とも名状しがたい或物が...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...僕はその時高木から受けた名状しがたい不快を明らかに覚えている...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...何とも名状しがたい熱い涙が湧くやうに...
林芙美子 「夜福」
...なんとも名状しがたい感動に打たれてしまふ! まるで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...その声には何か名状しがたい感動的な響きがこもつてゐた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...僕は名状しがたい嬉(うれ)しさに雀躍(こおど)りしながら...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...いってみれば毎晩ひとつずつ即席の難題を突き付けられているような何ともかとも名状しがたい辛さ...
正岡容 「小説 圓朝」
...その顔には名状しがたいような...
水野葉舟 「北国の人」
...笑ったりしている平穏な自分の内部に折々名状しがたい瞬間となって浮び出て来る...
宮本百合子 「寒の梅」
...互の名状しがたい愛と共感とを愛している以上...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...名状しがたい美しい無我で花びらを呼吸とともに収縮させ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...名状しがたい色調につつまれてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...何とも名状しがたい卒伍(そつご)の感情をふくんでいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...何とも名状しがたい物音と凄愴(せいそう)の気にくるまれて来たのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...名状しがたい人間の悲鳴が起った...
吉川英治 「平の将門」
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