...御口の端には白く泡がたまつて居りますし...
芥川龍之介 「地獄變」
...ちょっとその(えい)の針で口の端(はた)縫わっしゃれ...
泉鏡花 「悪獣篇」
...一遍口の端に掛れば...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...つい口の端に出て来やすいのでした...
梅崎春生 「Sの背中」
...スラスラと口の端に転(まろ)び出させ得たことであろうか...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...口の端を摘まんでぶるぶると振ったり...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...口の端を舐(な)めさせたり...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...口の端はどこか滑稽な悩みのために引きつっているとも取れた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「株式仲買人」
...口の端に泡を吹いて身をもがいているところを発見したのである...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そして敷蒲団の下から懐紙を出して口の端をふく...
永井荷風 「来訪者」
...通りかかるお玉の姿が人の口の端(は)にのぼるほど...
中里介山 「大菩薩峠」
...口の端(はた)をむずつかせながら...
夏目漱石 「坑夫」
...その下で顎十郎が口の端から涎を垂らして...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...誰しも嫌な口の端あ御免だからのう...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...厭といふ程娘に口の端(はた)をつねられ...
牧野信一 「川を遡りて」
...舌で口の端をなめたりしながら突っ立つことはしない...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...褒めてるんら」三島は手で口の端を撫(な)でた...
山本周五郎 「風流太平記」
...今朝の師直の顔は、晴れ晴れとお見えでございましょうが」「まだ血がついておるわ、口の端に」「あ、さようで」と、懐紙を取り出すはずみに、毛抜きと共に抜いた大きな奥歯をくるんだ物も膝へ落した...
吉川英治 「私本太平記」
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