...高浜氏は黙つてその短冊を取り上げて太いぶつきら棒な字で何だか五文字程認(したゝ)めたと思ふと...
薄田泣菫 「茶話」
...それにもかかわらず物理学をデモンストレートする先生がたはなかなかこの目前の好個の問題を手に取り上げて落ち着いて熟視しようとはしないのである...
寺田寅彦 「日常身辺の物理的諸問題」
...即ち又個人的意識の契機からしか取り上げられていない...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...全くそれが文化的自由主義のコースの上で取り上げられたことというに由来する...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...そして彼の楽譜をふたたび取り上げながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それを彼は両手に取り上げ...
豊島与志雄 「ものの影」
...座右の長い刀を今更めかしく取り上げて...
中里介山 「大菩薩峠」
...「お見せな」お絹はその一枚を手に取り上げて...
中里介山 「大菩薩峠」
...なんとなしに有難味に打たれるじゃございませんか」自分も慶長小判の一枚を取り上げて...
中里介山 「大菩薩峠」
...この屋敷から盗み取った品だけは取り上げなければならぬ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...箪笥の上の血染めの短刀を取り上げると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼れは封筒を取り上げて覘(のぞ)いたが...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...」私は斯う云って女性の手にあるハンケチを取り上げた...
松永延造 「職工と微笑」
...男は遂に横笛を取り上げて...
松永延造 「ラ氏の笛」
...本を持っていらっしゃい」かれはまた本を取り上げた...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...身近に取り上げるべき内容の多いのを感じますが...
柳宗悦 「多々良の雑器」
...取り上げて読むとそれは真紀子でもう眠っているときに来たらしく...
横光利一 「旅愁」
...何心なく手に取り上げて裏返して見ると...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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