...ことにその厳として秋霜烈日的なる人格は深く畏敬せられ...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...大名をとめて蘇鉄の月夜かな田福(でんぷく)蘇鉄は厳として磐石(ばんじゃく)の如く動きません...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...謡曲のうしろには五山の碩学(せきがく)が厳として控えて居り...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...今以てその門閥なるものが厳として残つてゐるのですから...
談洲楼燕枝(二代) 「燕枝芸談」
...日本固有の精神が古今を通じて厳として存在しているというようなことを...
津田左右吉 「東洋文化、東洋思想、東洋史」
...厳として天地の如く...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...厳として軟化せず...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それが日本には厳として存在している...
中谷宇吉郎 「六三制を活かす道」
...他に累を及ぼさざるものが厳として存在していると云う事すら自覚しないで...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...すべての法律は厳として存在しているのに...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...厳として群山(むれやま)の後にそびえているのだ...
別所梅之助 「雪の武石峠」
...此処に厳として存在する之は何ですか?私は何うすれば好い? ミサ子は私の家へ来るより...
松永延造 「職工と微笑」
...厳として気をゆるめなかった...
吉川英治 「三国志」
...いつになく厳として...
吉川英治 「三国志」
...――けれど、その小国のうちに、何か大国にない力が潜(ひそ)んでいなければ、厳として、存在はしていられないはずだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...厳として軍律を立て...
吉川英治 「新書太閤記」
...ただ度外できない条件として、あの時代の女性の位置と、義仲の子を産んでいる母性という事実だけが、厳としてあった...
吉川英治 「随筆 新平家」
...それでも、大化の革新以後、藤原百川(ももかわ)や良継(よしつぐ)たちの権臣が朝に立って、しきりに、土地改革を断行したり、制度の適正や、王道政治の長所を計ったりしていた短い期間は、どうにか、日本の曙光(しょこう)みたいな清新さが、庶民の色にも見えたが、やがて彼等の専横がつづき、皇室、後宮、みな藤原氏の血をいれて私にうごき、中央の官衙(かんが)から地方官の主なる職まで、その系類でない者は、ほとんど、衣冠(いかん)にありつけない時代がここ十年も続いた結果は――いまや世はあやしげなる両面社会を当然に持つにいたり――たまたま、相馬の小次郎が遭遇したような、柳桜の綾をなす文化の都と、百鬼夜行の闇の世とが、ひとつ地上に、どっちも、厳として、実在するような状態になった...
吉川英治 「平の将門」
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