...厳としてありますから...
芥川龍之介 「猿」
...もう世の中に大した魅惑のないことも厳として存する事実なのだ...
犬養健 「愚かな父」
...或る限界まで行くとそれから先きは厳として人を容(い)れないという風があった...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...厳として存在し、こんこんとして溢(あふ)れて止まぬ其の民族を貫く民族特有の美の源泉は、如何なる外的条件のかずかずを並べ立ててみても説明しがたく、殆ど解析の手がかり無き神秘さを感じさせる...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...厳として人間に臨んでゐるかのやうに見える...
田山録弥 「ある時に」
...そこに自然の見透かされない権威(けんゐ)が厳として横つてゐるのだ...
田山録弥 「ある時に」
...今以てその門閥なるものが厳として残つてゐるのですから...
談洲楼燕枝(二代) 「燕枝芸談」
...厳として墓中に彼女を見張っていたのではあるまいか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...厳として身動きが許されない...
中里介山 「大菩薩峠」
...厳として動かない...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...厳として群山(むれやま)の後にそびえているのだ...
別所梅之助 「雪の武石峠」
...此処に厳として存在する之は何ですか?私は何うすれば好い? ミサ子は私の家へ来るより...
松永延造 「職工と微笑」
...庶民の秩序と安穏を守る法の門を厳として崩さず...
吉川英治 「大岡越前」
...曹操は、厳として云った...
吉川英治 「三国志」
...ただ度外できない条件として、あの時代の女性の位置と、義仲の子を産んでいる母性という事実だけが、厳としてあった...
吉川英治 「随筆 新平家」
...厳として、芽を踏まれておる...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...厳として家臣たちの勝手な行動をゆるさないのであった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...影法師は、片仮名のオの字のような象(かたち)に地へ映ったが、天地の円(えん)は、厳として、円を崩してはいない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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