...極楽に棲(す)むとやら承つた伽陵頻伽(かりようびんが)にも劣るまじい...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...自然界の全局面から見ればその利己心のはげしさは決して他の動物に劣ることはない...
丘浅次郎 「人道の正体」
...そうあなたの家に劣るものじゃありませんよ」すると主人が言った...
田中貢太郎 「胡氏」
...其數は敵に劣るも奮然と勇み戰鬪こゝろざす...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...その重大さが劣るとばかりは云えない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...馬端臨の文獻通考の方が劣るといふことを論じた...
内藤湖南 「章學誠の史學」
...然れども今日(こんにち)吾人の見る処芳幾は決して芳年に劣るものならず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...吾輩は四本の足を有しているから大地を行く事においてはあえて他の動物には劣るとは思わない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...わが輩は脳髄(のうずい)において女性が必ずしも男性に劣るとはいわぬ...
新渡戸稲造 「自警録」
...従って実際は彼らの習慣の永久的変化に比すれば彼らにとり価値の劣るものである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...どうも日本の名工に劣るが多く思われたは...
南方熊楠 「十二支考」
...「工藝美術」の美は純工藝の美に劣ると...
柳宗悦 「工藝の道」
...個人的作は美においてはいつも民藝に劣る...
柳宗悦 「工藝の道」
...支那のどの作品に劣るであろう...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...「恥を話さなければ理がとおらない、だから云いますけれどもね、店賃は溜めています、けれどもそれだからといって、書画にも劣るの、人間ではないとまで云われては、……皆さんの前ですが、私は、こんな、く……」「それは尤(もっと)も、源兵衛さんの泣く気持は尤も、わしもそれを云われた、わしは佃煮(つくだに)行商、けれども人でなしと佃煮とは無関係」「とにかくてんでんが、愚痴を並べていてもしょうがねえ」銀太が先住民の貫禄(かんろく)をみせてこう云った、「いったいどうして禿にあんな憑き物がしたか、病気の根はなにか、どうしたらあの気違え沙汰を治すことができるか、こいつをまず相談しようじゃあねえか」「お、お、お、お、ヘヒーヘヒー」奇声をあげたのは、吃(ども)りの勘次である、彼は鋸(のこぎり)の目立てを業とする、そして独身者の一人なのだが、本格的な吃りであって、いつか「明日はたぶん雨だろう」ということを、すっかり云うために二時間かかり、またそのために精力を使い果してひきつけたことがある...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...此方の妻にすすめるとは女衒(ぜげん)にも劣る畜生根性...
吉川英治 「三国志」
...汝の武勇が彼より劣るためではないか」「そんなことはありません...
吉川英治 「三国志」
...小学生にも劣る無智――...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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