...何度か越した徳本だが、別して、一度、長い辛い山旅を終り、もうすっかり静かになった上高地を後に、今は故人になった大町の玉作老人とここを越えた時は、一歩一歩に木の葉が散り、私はそれから出て行って生活せねばならぬ都会と、後に残して行く山との二つに、板ばさみになった自身の心を見出して、足は重かった...
石川欣一 「可愛い山」
...私の「トリック表」には、これを大別して、永久に隠すトリック一時隠すトリック死体を移動して隠すトリック顔のない死体、の四種類としている...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...はっきり区別して置いて...
太宰治 「女生徒」
...却って非大衆が自らを夫から区別して意識しようがための概念であるだろう...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...批評家と学校教師とを区別している特色が見失われるだろうからだ...
戸坂潤 「所謂批評の「科学性」についての考察」
...それを大別して自然と歴史社会と思惟との三段階乃至三領域にすることが出来たのだったが...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...肉体に訣別して、そしてなにかしら精神的な愛情を求めて、あっぷあっぷしてるんじゃないか...
豊島与志雄 「怒りの虫」
...作品の具体的内容と暗示的内容とをかりに区別してみた...
豊島与志雄 「小説の内容論」
...あらゆる男性を区別して...
中里介山 「大菩薩峠」
...大体において清濁を区別して書いたということは言えるのであります...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...千緒万端に分別してこれに応ぜざるべからず...
福沢諭吉 「学問の独立」
...流行病氣ある時は別して食餌に注意け...
福澤諭吉 「養生の心得」
...午后一時男に陪乗して敦賀を発し米原で告別して下り列車に乗移つた...
二葉亭四迷 「旅日記」
...なぜか知ら(或は私だけが別して人の苦しみというものを過当に見るようなところがあるのだろうかしら)...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...固(もと)より田と畑とを判然と区別して詠めるにもあらず...
正岡子規 「墨汁一滴」
...別して円内に多数の円を環容したものの問題のごときは全くこの方法によってできたのであるが...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...これを我々に意識させる表象とを區別してみると...
三木清 「認識論」
...よく分別して答えい」「…………」寒気だけではない...
吉川英治 「新書太閤記」
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