...」余り唐突(だしぬけ)で解し兼ねる...
泉鏡花 「婦系図」
...何処がお悪いの?」「一寸申上げ兼ねる健康状態でございます...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...言葉さえ通じ兼ねる漁師の小舟で...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...大学の講師をも兼ねるようになって明治三十七年の九月頃まではその教師としての職責を真面目に尽すという以外あまり文筆には親しまなかった...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...吾々良民は一向見当が付き兼ねる...
戸坂潤 「社会時評」
...萬物に活力を與へて強く照らす日の光に堪へ兼ねるものゝ如く麥の穗は焦げたやうに黄變しつゝ行くのである...
長塚節 「おふさ」
...鑑賞家が演出者を兼ねるところにあるということも...
中谷宇吉郎 「八戒に遭った話」
...これを死物として取扱えば文芸的にはなり兼ねるのであります...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...今更四ツ這(ば)いになって歩くことも致し兼ねると答えたという話がある...
新渡戸稲造 「デモクラシーの要素」
...夜の明けるのを待ち兼ねるほどの大事があるのか」吟味与力(ぎんみよりき)筆頭...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「千住(こつ)の浜夕などに熱くなったのはどういうわけでしょう」ガラッ八が呑込み兼ねる顔をすると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その先はさすがに打あけ兼ねるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親の身には諦め兼ねることでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私達には其の言葉の意味が全く解し兼ねるであらうが...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...喰(く)い止め兼ねる主君は...
本庄陸男 「石狩川」
...して見ると能役者が二芸三芸兼ねる位の事は訳もない事といはねばならぬ...
正岡子規 「病牀六尺」
...一丈八尺の法衣が二指を掩い兼ねるほどの巨人の睾丸だから...
南方熊楠 「十二支考」
...ちと申し兼ねる大事です...
吉川英治 「親鸞」
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