...この游心帳は綴ぢも全き物...
小穴隆一 「二つの繪」
...恩威竝び施して男子の徳全きを得べきなり...
大町桂月 「日月喩」
...史家の全き心生活を以てその何れにも対することによって...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...はじめて全きを得るのである」(三〇六頁)とされたやうに...
時枝誠記 「国語学と国語教育との交渉」
...ただの一語として人生にその全き意味をもってるものはない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...思想家は全き自由を得...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...絶対に現実を描くべしとや? 誰か全き現実を捉え得べき...
中島敦 「光と風と夢」
...「あれが彼等の云ふ全き人なのであらうか...
「修道院の秋」
...全き自己と自己實現とを捧げて...
波多野精一 「時と永遠」
...物の領域は全き存在の世界に及ぶといふべきである...
波多野精一 「時と永遠」
...――――――――十一月二日――この家の全き静寂に...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...不朽の大家たる全き本質です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...全き否定から肯定を引きずりだしてくるということです...
三好十郎 「抵抗のよりどころ」
...私は審美的理想と社会的理念との間に全き調和を観じる...
柳宗悦 「工藝の道」
...技術への全き支配と離脱とがある...
柳宗悦 「工藝の道」
...技術への全き支配と離脱とがある...
柳宗悦 「民藝四十年」
...この表はもちろん不完全きわまるものですが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...背景を成す沸き立つような半ば光輝を帯びた雲は、曖昧で希薄な、地球を遥かに離れた<彼方であること>(*14)を暗示する言語に絶した何かを抱き、遥かな距離を、全き孤絶を、侘しい荒廃を、足を踏み入れることも測鉛を投ずることも叶わぬこの南の世界の悠遠の死を、ぞっとする程に思い起こさせた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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