...兎に角我我売文業者は余り今日の法律の御恩を蒙つてゐないことは確かである...
芥川龍之介 「小説の戯曲化」
...近くに分家でもすれば兎に角...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...兎に角七八分休息した上...
谷崎潤一郎 「恐怖」
...兎に角その新道は出来たので御座います...
田山録弥 「玉野川の渓谷」
...兎に角應酬の結果は極めて良好にして...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...「兎に角、そうした方がいいかも知れない、もう茲まできてしまったんだから...
豊島与志雄 「子を奪う」
...犬に床まで敷いてやるといふ位な變な人間であるから風呂までが變つて居るといふ譯ではあるまいが兎に角變つて居るのである...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...兎に角その時分は日として歌に就ての議論が「日本」に出ないことがない位であつたから...
長塚節 「竹の里人〔二〕」
...二十七八――どうかしたらもう少し若いでせうが、兎に角、素晴らしい肉體を持つた女で、その妖艶(えうえん)な美しさは興奮した後だけに、却つて眼の覺めるやうです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...が、兎に角、松藏を縛ると、下手人は苦もなく判るよ、それが反つて松藏を助ける手段になるかも知れない」「へエ――」平次はそれつきり引返して了ひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎に角上っ面で熱心になっていた...
二葉亭四迷 「予が半生の懺悔」
...兎に角クサった/\と言ひつゝ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...兎に角ごま化せた...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...リカルド・ガリバルジ――哲学者と熱血将軍を一緒にした、兎に角、非道く英雄的な名前である...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...兎に角景樹は既に京都に上つてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...兎に角猿が取つたとは誰も思つてゐないやうだ...
ジユウル・クラルテエ Jules Clarete 森林太郎訳 「猿」
...兎に角所々で叫ぶ声が聞える...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...兎に角妾達姉妹なんだものね...
森本薫 「華々しき一族」
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