...人は画家から授けられた先入主観によつて物をいつてゐるのだ...
有島武郎 「描かれた花」
...此処(こゝ)へ通すか」何の先入主も興味もない信徳が...
犬養健 「朧夜」
...ただ何処までも「身分の違い」と云う先入主があったために...
谷崎潤一郎 「細雪」
...えこひいき―――そう云って悪ければ先入主とでも云いましょうか? つまり彼等は西洋人臭い...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...感情や意欲に先行する理知的な先入主のようにも考えられているが...
戸坂潤 「思想としての文学」
...そういう先入主を離れて樹を見ると...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...ヘンリイの話した容態が先入主になっていたせいか...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...吾れはかく口を酸くしてその非を鳴らしても一般の学者には先入主となって病膏肓に入り為めに勇敢にこれを改むる事を知らない...
牧野富太郎 「植物記」
...いろいろ先入主になっていることがあって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...白砂青松という類の先入主を離れて...
柳田国男 「雪国の春」
...ドウモそういう風にどこまでも先入主になって来られちゃ敵(かな)わない……いいかい...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...惚れた弱味や惚れない強味、先入主や後入主、自惚(うぬぼ)れや贔負(ひいき)目、身の可愛さや子の可愛さなぞいう物質的や精神的な条件が、底も知れぬ位入れ交(まじ)って淀みつ流れつしております...
夢野久作 「鼻の表現」
...かういふ先入主や...
吉川英治 「折々の記」
...新興勢力の曹操などよりははるかに偉い人――という先入主をもっていた...
吉川英治 「三国志」
...彼の先入主は拭いきれない...
吉川英治 「私本太平記」
...このことある前から秀吉を軽んじたり嫉視(しっし)していた人々の先入主(せんにゅうしゅ)である...
吉川英治 「新書太閤記」
...公卿眼(くげめ)の先入主になっていたようである...
吉川英治 「随筆 新平家」
...山の暴れ者は怖ろしいと先入主になっている土民たちは...
吉川英治 「宮本武蔵」
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