...代助も格別の苦情は持つてゐなかつた事丈は慥かである...
夏目漱石 「それから」
...「闘戦勝仏」は「十三人」の一周年号の時、同人が皆んな揃つて書くと云ふのだつたが、私は慥か、夏で、田舎へかへり、海へばかり這入つて居て、何も書けなかつた...
牧野信一 「あやふやなこと」
...彼(あれ)を慥かに視た...
矢田津世子 「凍雲」
...それは慥かにぶっくれ舟であった...
山本周五郎 「青べか物語」
...ふざけているのでないことは慥からしい...
山本周五郎 「青べか物語」
...慥かにこっちだったと思うがな」それから自信をなくしたように云う...
山本周五郎 「青べか物語」
...役所でもかなり仕事がしやすくなりました」「慥かにそうのようですな...
山本周五郎 「いさましい話」
...その人間が慥かに見たと主張したばあいにもはっきり否定するだけの材料がない...
山本周五郎 「いさましい話」
...その痩せて骨立った、蒼白い胸に、古い突き傷の痕が二つ、慥かに見えた...
山本周五郎 「菊千代抄」
...もういちどよく慥かめてから云った...
山本周五郎 「季節のない街」
...宿坊があいていることを慥かめて...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...「――誰かやって来るぜ」「誰かとはなんだ」「この字でねえこたあ慥かだ」りゅうはちょっと待ってから云った...
山本周五郎 「さぶ」
...慥かな愛情でむすびつくのがさきだ...
山本周五郎 「契りきぬ」
...「慥かに此処(ここ)ですか」と岡村が訊いた...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...「逃げられはしないぞ」「慥かにそうか」云いざまに...
山本周五郎 「風流太平記」
...私がすぐに慥かめよう」万三郎が云った...
山本周五郎 「風流太平記」
...慥かにいました」「三郎は彼を知っているのか」休之助が訊いた...
山本周五郎 「風流太平記」
...歩く調子も決して乱れはしない、人の眼には平凡なお店(たな)者とみえるだろう、いくらか苦みばしった美男で、身だしなみのいい、若い手代といったふうに、……慥かに、これまで彼はついぞ、その自信を裏切られたことはなかった...
山本周五郎 「夕靄の中」
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