...慥かに手古奈の心はどうでもよいと言ふが如き冷かなものではないのだ...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...私の此の眼も、慥かに一度は、そのマストを映したことであつたらうが、もとより記臆してゐる由もない...
中原中也 「一つの境涯」
...まだああやって口も慥(たし)かなら気も慥かなんだから...
夏目漱石 「こころ」
...けれども今の自分から三四年前の自分を回顧して見ると、慥かに、自己の道念を誇張して、得意に使ひ回(まは)してゐた...
夏目漱石 「それから」
...疑うにはあまりに誠実であり勤勉であった、仕事の慥かさ、人柄の堅さ...
山本周五郎 「追いついた夢」
...でもあの人が二度と来ないということは慥かだと思うわ」「そうなればますます夢だ...
山本周五郎 「追いついた夢」
...あのとき「こんどこそ立直る」と云ったことが慥かだったのか...
山本周五郎 「落ち梅記」
...とすれば父がこれら老臣の一味でなかったことは慥かであろう...
山本周五郎 「落ち梅記」
...狙いも慥かである...
山本周五郎 「おばな沢」
...平和につきあっているという事実を慥かめると...
山本周五郎 「季節のない街」
...その供給状態を慥かめた...
山本周五郎 「季節のない街」
...自分で慥かめようとしてけんめいなのだ...
山本周五郎 「さぶ」
...ほかにも慥かに聞いた者がある筈です...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...彼なら慥かだ、という者もみあたらないし、私がと名のって出る者もない...
山本周五郎 「ひとごろし」
...「ただお義兄さまにとって大事な品だということだけは慥かですの...
山本周五郎 「風流太平記」
...「朱雀調べ」の内容を嗅ぎだそうとしていることは慥かである...
山本周五郎 「風流太平記」
...万三郎は自分の腕の慥かさをはっきり自覚した...
山本周五郎 「風流太平記」
...慥かに、石倉の中に人がいて、その鼠を引き戻すようであった...
山本周五郎 「風流太平記」
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