...箱だけは慥かにお誂え申した覚えが御座いますが!」こう宝玉屋は無雑作に答えた...
――モウパンサン―― 辻潤訳 「頸飾り」
...まだああやって口も慥(たし)かなら気も慥かなんだから...
夏目漱石 「こころ」
...さて、わしは慥か、この本の中へ自分自身の噺もさし加へるやうなお約束をしておいた筈ぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...「爪」を書いたのは慥か冬だつた...
牧野信一 「あやふやなこと」
...ふざけているのでないことは慥からしい...
山本周五郎 「青べか物語」
...よく検討し慥かめてみたあとで「どうも月にゃ兎は棲(す)んでねえようだな」と答えるということであった...
山本周五郎 「青べか物語」
...宿坊があいていることを慥かめて...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...声まで変えることはできやしません」「間違いはないな」「慥かですとも...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「この座敷か」と老人に慥かめてから...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...人間のことだから、この気持が絶対なものだとはいえないが、いまは慥かだ...
山本周五郎 「さぶ」
...「それも慥かめてみます」その年八月の中旬...
山本周五郎 「屏風はたたまれた」
...浜屋敷がなにかの関(かか)わりをもつことは慥かである...
山本周五郎 「風流太平記」
...「有難うございました」そしてなにか慥かめるような眼で万三郎を見あげながら...
山本周五郎 「風流太平記」
...慥かに、石倉の中に人がいて、その鼠を引き戻すようであった...
山本周五郎 「風流太平記」
...そうでしたね」慥かに...
山本周五郎 「風流太平記」
...その笑い声には聞き覚えがある、慥かに、はっきりと覚えのある笑い声であった...
山本周五郎 「風流太平記」
...松山は知っている筈だ」「それは慥からしいな」と周防は苦笑した...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...慥かにとはいえないが...
山本周五郎 「夕靄の中」
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