...巨人?然(さう)だ、慥かに巨人だ...
石川啄木 「葬列」
...不慥かな声である...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...慥かに(evidently)人の見やうは知らない...
テニソン Tennyson 菅野徳助、奈倉次郎訳 「アーサー王物語」
...併し手紙を出したお前の事を考へる丈は慥かだ...
森林太郎 「身上話」
...慥か長と同級生だったと思うがね」「かんぷり」と長は兄のほうを見...
山本周五郎 「青べか物語」
...「おれの気持が変りだしたという慥かな証拠の一つはこれだ」彼は眼をつむり...
山本周五郎 「さぶ」
...そして彼が帰るのを慥かめたら...
山本周五郎 「失蝶記」
...しかしその宿の古い看板を見たときおてつの話のなかで慥かに聞いた屋号だと思い...
山本周五郎 「契りきぬ」
...あの人の意志を慥かめたか...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...「そこもとには可笑(おか)しいか」「あんまりばかげています、もっとも野育ち同様で、することに遠慮がありませんから、なにか誤解されたかもしれませんが」「では、自分で慥かめてみるがいいだろう」「お望みなら慥かめます」「私には、その必要はない、私のほうはもうわかっているので、慥かめるのは、そこもと自身のためだ」惣兵衛の声は静かで、むしろ温情がこもっているといったふうだった...
山本周五郎 「花も刀も」
...浜屋敷がなにかの関(かか)わりをもつことは慥かである...
山本周五郎 「風流太平記」
...それが正確に本邸へ入るかどうかを慥かめたのである...
山本周五郎 「風流太平記」
...万三郎は自分の腕の慥かさをはっきり自覚した...
山本周五郎 「風流太平記」
...そうでないにしても老中が積極的に出はじめたことは慥かなようですよ」ひときわ濃く...
山本周五郎 「風流太平記」
...慥かに、承諾の返辞をしたあとでは、ながいあいだの精神的緊張から解放されたかのように、静かに心のやすらいだのを覚えている...
山本周五郎 「めおと蝶」
...松山は知っている筈だ」「それは慥からしいな」と周防は苦笑した...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...いまは不利だということは慥かだ」彼は三歩ゆき...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...歩く調子も決して乱れはしない、人の眼には平凡なお店(たな)者とみえるだろう、いくらか苦みばしった美男で、身だしなみのいい、若い手代といったふうに、……慥かに、これまで彼はついぞ、その自信を裏切られたことはなかった...
山本周五郎 「夕靄の中」
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