...小石川は伝通院(でんずういん)前の伊勢長(いせちょう)といえばその頃の山の手切っての名代の質商伊勢屋長兵衛方へ奉公した...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...伝通院の前では町家の女(むすめ)が母親らしい女に伴(つ)られて来るのに逢った...
田中貢太郎 「花の咲く比」
...途中で小石川の伝通院前の赤門の家で占いの名人のあるということを想い出して...
徳田秋声 「足迹」
...伝通院前に、灸点(きゅうてん)の上手があると聞いたので、それをも試みさした...
徳田秋声 「新世帯」
...伝通院前の叔母が来て...
徳田秋声 「新世帯」
...田崎は伝通院前(でんずういんまえ)の生薬屋(きぐすりや)に硫黄(いおう)と烟硝(えんしょう)を買いに行く...
永井荷風 「狐」
...諸君は私が伝通院の焼失を聞いていかなる絶望に沈められたかを想像せらるるであろう...
永井荷風 「伝通院」
...丁度この見晴しと相対するものは則(すなわ)ち小石川伝通院(でんづういん)前の安藤坂(あんどうざか)で...
永井荷風 「日和下駄」
...水田は氷川の森のふもとより伝通院(でんずういん)兆域のほとりに連り一流の細水潺々(せんせん)としてその間を貫きたり...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...電車通を伝通院の方に向ひて歩みを運べば...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...伝通院殿――なにがしの高貴なる婦人――高貴ならざる婦人――同時に一般の婦人――ただ一人の婦人――お君――虐(しいた)げられたる女――それが今この重しにかけられている...
中里介山 「大菩薩峠」
...また伝通院へ伺った時には...
中谷宇吉郎 「露伴先生と科学」
...「いえあの御顔色はただの御色では御座いません」と伝通院(でんずういん)の坊主を信仰するだけあって...
夏目漱石 「琴のそら音」
...伝通院(でんずういん)の境内を逃げ廻った揚句(あげく)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小石川伝通院の三井邸へ招ばれて行く...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...――小石川の伝通院裏になぎ町という処(ところ)がある...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...伝通院裏の柏屋という旅籠へ知らせろ...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...伝通院のゆるい坂道を...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
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