...煙草屋、荒物屋など暗い寂しい店に交って、仕出し屋、料理屋なども有る様子で、入口は狭いが普通の宿屋とは違った、奥深そうな洒落(しゃれ)た構えの旅館がぽつ/\見える...
岩本素白 「六日月」
...そして夕方に帰って来て仕出しの料理で晩飯を終えると...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...仕出し屋の料理とは違うらしい...
谷崎潤一郎 「細雪」
...飯まで仕出し屋から運ばせると云う始末でした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...越前屋(えちぜんや)という仕出し屋の若い主人は印の入った襟のかかった厚子(あつし)の鯉口(こいぐち)を着て三尺を下の方で前結びにしたままのっそりと入って来た...
近松秋江 「霜凍る宵」
...新開地を追うて來て新に店を構へた仕出し屋の主人が店先に頬杖を突いて行儀惡く寢ころんで居る眼の前へ...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...今日電車通に繁昌せる魚久は当時魚屋にて仕出しをなせしのみ...
永井荷風 「桑中喜語」
...其の写実的半面は狂言の本筋に関係のない仕出しの台詞(せりふ)や...
永井荷風 「虫干」
...仕出しを注文する声までがよく聞こえる...
永井荷風 「雪解」
...表を二三間も歩いたと思われる仕出し屋の女中が...
中里介山 「大菩薩峠」
...「どう見てもみんな仕出しだな...
額田六福 「解説 趣味を通じての先生」
...急いで仕出し屋へ走れのと...
二葉亭四迷 「平凡」
...近くの料理屋からの仕出しもならべて...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...すんでいないといえば小鉢もののようなつきだしでさえ仕出し屋から取りつけているここの家では月末にそれだけを別口のつけにして請求してくる...
矢田津世子 「神楽坂」
...仕出し屋をよんでは料理の相談をする...
矢田津世子 「父」
...10=茶店仕出しが二人三人口々に「喧嘩だ」と叫んで走って行く...
山中貞雄 「右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法」
...仕出し屋からでも取ったとみえる...
山本周五郎 「おれの女房」
...やはり福岡一の魚吉(うおきち)という仕出し屋が持ち込んで騒いでいるという勢いで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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