...(この勇気に乏しい癖に忽ち挑戦的態度をとるのは僕の悪癖の一つだった)すると彼は微笑しながら...
芥川竜之介 「歯車」
...探偵ごっこを始めるには余りに乏しい材料だからね...
江戸川乱歩 「悪霊」
...所謂「北の方(かた)」であって光線の乏しい御殿の奥の間に垂れこめつゝ単調な日々を送っていたのであろうから...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...日光のごとき崇拜の感じには乏しいけれど...
近松秋江 「箱根の山々」
...現代日本に於て著われた著述を含むこと極めて乏しいということだ...
戸坂潤 「読書法」
...自信に乏しいために...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...このように量において極めて乏しいのであるが...
中谷宇吉郎 「『雪華図説』の研究」
...興味に乏しいから...
夏目漱石 「それから」
...例えば思想の乏しい人の送る内生涯(しょうがい)と云うものも色における吾々と同じく...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...養育院の基金が乏しいことから見て...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...個性にも乏しいのである...
三木清 「辞書の客観性」
...どの陳列所もそれゆえ郷土の特色には乏しい...
柳宗悦 「地方の民藝」
...東京に近い千葉県や神奈川県は特色に乏しい地方になりました...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...しばしば美しさの乏しいのを感じた...
柳宗悦 「民藝四十年」
...史書にはこの経過を跡づける資料が至って乏しい...
柳田国男 「木綿以前の事」
...それには決斷心の乏しい彼の性質も多少手傳つてはゐたと云ふもののそれよりも...
横光利一 「悲しみの代價」
...平家には見えたあの優雅な人々の無常観も“あわれ”さもまた文章の詩趣も至って乏しい...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...しかも私は生命信愛の情に乏しいことを余り経験しない...
吉田絃二郎 「沈黙の扉」
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