...いつまでも宴席に愚図愚図とどまっているような決断の乏しい男では...
太宰治 「新ハムレット」
...消え入るような乏しい心地になっていた...
近松秋江 「霜凍る宵」
...併し自ら詩才に乏しいのを知って斯の道を断念した...
戸坂潤 「辞典」
...社会の最も独自性に乏しいと考えられる部面である文化領域に向って...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...方法として最も苦情に乏しいからとかいう...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...乏しい薬剤で治療に従事している...
豊島与志雄 「北支点描」
...」「愛嬌には少し乏しいやうですが...
永井荷風 「来訪者」
...もう別人ではない程に馴染(なじ)んでいながら親しく風を見たことも極めて乏しい...
中里介山 「生前身後の事」
...きわめて人通りの乏しい追分の道を...
中里介山 「大菩薩峠」
...滑稽味が乏しいなんて言う人もありますが...
中里介山 「大菩薩峠」
...経験に乏しい処女の期待するような予言はともかくも...
夏目漱石 「明暗」
...何という敬虔の念の乏しい考え方ではないかと痛感されてならないのであります...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...乏しい月給をかこちつゝ...
水上瀧太郎 「覺書」
...男は客の置いて行つた紙包から乏しい金をひらいて...
室生犀星 「はるあはれ」
...そうして変化が乏しい故に...
柳田国男 「木綿以前の事」
...乏しい手内職で生きていたではないか...
山本周五郎 「柳橋物語」
...そちもそう考えるか」「思慮の乏しい日幡景親(かげちか)どのと共に惨敗を喫するよりは...
吉川英治 「新書太閤記」
...ともすれば気品に乏しい憾みを抱く...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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