...とうとうひとりの近親はおろか...
太宰治 「逆行」
...私のおろかな過失をかばって下さる...
太宰治 「斜陽」
...「百兩二百兩はおろか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...西蔵のラッサは、今なら自動車を利用すれば、ブータン(西蔵と印度の間にある小独立国)の国境に近い印度のダージリンから五日ぐらいで行かれるが、つい二十世紀のはじめまでは、国境のまわりに立ちめぐる一万六千尺から三万尺に及ぶ山脈の防壁を利用し、乖離(かいり)と排他主義の精神をおし樹てていた頑冥な閉鎖国で、清の高宗が辺外諸部との交通を禁止した乾隆十五年(一七四九)から、民国三年(一九一四)のシムラ会議まで、百六十五年の間、欧米人と名のつくもので、ラッサはおろか、西蔵本部(南部の渓谷地方)への潜入に成功したものは一人もない...
久生十蘭 「新西遊記」
...桜はおろか梅も咲かない...
正木不如丘 「釣十二ヶ月」
...それは多数が愚(おろか)だからである...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...されど嫉むはおろかならずや...
森鴎外 「舞姫」
...されど嫉(ねた)むはおろかならずや...
森鴎外 「舞姫」
...お佐代さんが奢侈(しゃし)を解せぬほどおろかであったとは...
森鴎外 「安井夫人」
...泣き声はおろか呻(うめ)き声さえたてず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「伊豆さまはおろか御老中が出たって...
山本周五郎 「風流太平記」
...珠玉(たま)の輦(くるま)もおろかである...
吉川英治 「篝火の女」
...ほかへ移ってしまったのか」「おろかな奴どもでございまする」「いや...
吉川英治 「私本太平記」
...法燈修学の頽廃(たいはい)など、いうもおろか、破戒乱行の末世と申すも過言でない...
吉川英治 「新書太閤記」
...おろかな主人でも...
吉川英治 「新書太閤記」
...髪にも色気狂いのような釵子(さいし)やら簪(かんざし)やら挿して、亭主はおろか、股旅(またたび)でも、呑み助の暴れン坊でも、まちがえばちょいと抓(つま)んで抛(ほう)り出すなどお茶の子だといわれているこのおばさんにしてさえ、しんそこは、やはり女であったらしい...
吉川英治 「新・水滸伝」
...東八ヵ国の官衙から、蜂の子のように叩き出された国司や府生たちが、やがて、命からがら、都へ逃げ上って来ては、「いやもう、大変というも、おろかな程だ...
吉川英治 「平の将門」
...それでよかったんだ……が君は発見すべく余りに愚(おろか)だ...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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