...あふことはまばらにあめる伊予簾いよいよ我をわびさするかな我おろかなるながめにも...
薄田泣菫 「侘助椿」
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高浜虚子 「五百句」
...それほど大事なものを失(な)くするなんて実に愚(おろか)な話だが...
谷譲次 「踊る地平線」
...あの山師にはスペンサーのことをそんなふうに言う資格はおろか...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...負けたくない!頬をつたう涙線の数をかぞえ乍らぼうぜんと空を見ているとおろかな人間を無性になつかしく思える日である...
豊島与志雄 「異邦人の意欲」
...井戸にも何の異状もなく、屋根の上の天水桶の中まで見ましたが、三十両はおろか、たった三両の小判もありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...マルセーユからほど遠からぬアルルの大円戯場(アレエヌ)その三十四階の観覧席はおろか...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...おかくはそんな持病はおろか...
牧野信一 「月あかり」
...自分のしんが燃えつきるとそれで歴史のともしびも燃えきったように思うおろかしさ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...おろか者」「さあお詫(わ)びをなさい...
山本周五郎 「桑の木物語」
...あの年になってまだそんな妄執(もうしゅう)があるんだから」「女なんておろかな者だ...
山本周五郎 「契りきぬ」
...誰の眼にもおろかにみえるだろうし...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...このおろかしさがなによりの武器だ」と光辰は微笑した...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...鎖生活に馴れた畜生のおろかさを憐んだという...
山本宣治 「猿の演説」
...戦争はおろか、兵が養えないのである...
吉川英治 「三国志」
...かく行けばかくなるものと知りながら、やはりこう来てしもうた、おろかなわれよ...
吉川英治 「新書太閤記」
...そうなったが最後、もう、百人はおろか、千人でも手は届かぬのだ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...四王院は、それに激励されて、「――あいや、おことばには候うが、十年二十年、この叡山(えいざん)に、苦行を積んでも、なおかつ、入壇はおろか、伝法のことすら受けぬものが、どれほどあるか」「それは、その人の天稟(てんぴん)がないか、あるいは、勉学が足らぬかの、ふたつでおざろう...
吉川英治 「親鸞」
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