...その中の一つを指定すべき与件は一つもないのである...
寺田寅彦 「映画の世界像」
...これを応用すべき具体的の「場合」の前提とすべき与件の判定は往々にして純正物理学の範囲を超越する...
寺田寅彦 「地震雑感」
...要するにこれらの問題の基礎には「粉」という特殊な物の特性に関する知識が重大な与件として要求されるにもかかわらず...
寺田寅彦 「自然界の縞模様」
...これを支配する物理的与件が何と何とであるか...
寺田寅彦 「日常身辺の物理的諸問題」
...与えられた与件そのものは変更することなく...
戸坂潤 「科学論」
...それに基く技術学的与件や要求も(交通関係も戦争事情其の他も)...
戸坂潤 「科学論」
...技術学的与件と要求とは...
戸坂潤 「科学論」
...満州でも石炭の産出が重大与件である...
戸坂潤 「技術の哲学」
...従って人間の生活の物質的与件を地盤とするものなのだが...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...生物学自身の与件である...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...今日の社会与件の上では...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...与件は特殊性を有ち之に反して公式は普遍性を有っているが...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...雑然とした近代的与件は...
戸坂潤 「思想としての文学」
...それから又技術学的な与件に立脚して...
戸坂潤 「辞典」
...ただその要求なり目的なり与件なりが...
戸坂潤 「辞典」
...)さてイデオロギーの客観的与件による制約・対応の「説明」を進めて行くと...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...「事情」はあくまでも与件にしか過ぎぬ...
中原中也 「詩壇への願ひ」
...イラ痒い瞼、ひえびえとする野面の風にひえびえとしたみすぼらしい顔の中から、この遠近(をちこち)を嘆賞するもないもんだなぞ、云つては呉れるな人々よ、自然の与件は、何時でも生理のまゝに享受してゐる者でこそあれ、希望を持つて生きてゐるとも云へるので、其の他はすべて、謂はば野心で生きてゐるのだ...
中原中也 「その一週間」
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