...不覚にも下半身においてある種の生理現象を...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...不覚にもまるで気づかなかった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...その有様を見ているうちに、さすがに私も、この弟子たちと一緒に艱難(かんなん)を冒して布教に歩いて来た、その忍苦困窮の日々を思い出し、不覚にも、目がしらが熱くなって来ました...
太宰治 「駈込み訴え」
...不覚にも私は、ずるずる幹づたいに滑り落ちた...
太宰治 「猿ヶ島」
...私は不覚にも、鏡の中で少女に笑いかけてしまった...
太宰治 「美少女」
...而(しか)も不覚にも女に事情を知らしてやるのを怠(おこた)ったので...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...不覚にも自分から娘のほうを見やる...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...不覚にもまた涙をこぼした...
豊島与志雄 「死ね!」
...「姉上を、不覚にも、手にかけて、只今、あの墓へ――あの墓へ、綱手殿の形見の鏡を――肌身放さずに持っておった鏡を、埋めて――そら」月丸は、微笑して、両手を、突き出して、指を拡げた...
直木三十五 「南国太平記」
...不覚にも眠りこけた自分というもののおぞましさを悔ゆると共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...不覚にも言葉尻が濁るのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...モンテナナ国王は不覚にも見えなかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...ところが不覚にも...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...不覚にも不意をくって...
吉川英治 「三国志」
...孔明不覚にもそれがしの降伏を深く信じて...
吉川英治 「三国志」
...不覚にも彼さえつかれはてていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ところで兄上は」「不覚にも...
吉川英治 「新・水滸伝」
...(丈八のことだ――)十分大丈夫と見て、彼の為(す)ることを見すまして笑いながら戻って来るのを待っていたのであるが、その丈八が、勢に乗って追い捲(ま)くってゆくうちに、不覚にも、畷(なわて)のそばの畦川(あぜがわ)へ、飛沫(しぶき)をあげて片足を踏み辷(すべ)らせていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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