...井田は顏から手拭を取つて上向き加減に湯氣の奧の暗やみを見やつて又何と云ふ事なしに考へた...
有島武郎 「半日」
...掌を上向きにして蕎麦をはさむ...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...その綱は上向きになって...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...箱が上向きに倒れて...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...死体は上向きになっていた...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...そんなこと云ふの」鼻を上向きに...
武田麟太郎 「一の酉」
...山のどん底から山の下の平野の空へ向って鉄路が上向きに登っているから...
寺田寅彦 「猫の穴掘り」
...死体は上向きになり...
中里介山 「大菩薩峠」
...矢は上向きに突つ立つて居る...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八五郎の偉大なる上向きの煙突よりも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...上向きの曲線(カーブ)が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...幾分上向きになつて...
北條民雄 「青年」
...白い眼をじろじろと上向きにして...
本庄陸男 「石狩川」
...上向きの儘釈然としてゐると...
牧野信一 「晩春の健康」
...上向きにする角度が大きいので...
宮原晃一郎 「風変りな決闘」
...薄い上向きの唇をねじまげて唸つた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...上向きに枝を皆上げ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...欅の枝は幹に添うて上向きに出ているので...
和辻哲郎 「松風の音」
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