...見在(みすみす)雄を殺せしが...
巌谷小波 「こがね丸」
...みすみす自分の邸が疑惑の的(まと)になると知りながら...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...みすみす幕府を挙げて...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...みすみす自分の損になることさえいとわないのであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...何か恐ろしいことのもちあがるのをみすみす見のがしておおきになるだろうか? アリョーシャ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...自分たちがみすみす不幸に陥ることを知りながら...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...みすみす自分の不利益になることを望むわけがない...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...みすみす兄貴に譲って引くのも業腹(ごうはら)だから...
中里介山 「大菩薩峠」
...みすみすそれと分っても...
中里介山 「大菩薩峠」
...みすみす秀句を殺すことになるのかもしれない...
久生十蘭 「西林図」
...解剖の技さえ心得ていればみすみす助けられる命を...
久生十蘭 「玉取物語」
...「長崎屋どの! 三郎兵衛どの! この広海屋一家に対して、どのようなお恨みを持っておいでかは知りませぬが、あの子には罪はない! あの子が、悪さをする筈がない! あの子をお返しなすって下さいまし、家も惜しくはありませぬ! この、わたしが、殺されようと、助かろうと、それもかまいませぬ! あの子だけを、お返し下さいまし!」「は、は、は! 泣きおるわ! わめきおるわ! うらみがあったら、そこにおる広海屋に言え! 亭主に言え!」と、こんな言葉だけは、すじが立つことをいって、長崎屋は、ふたたび、ゲラゲラ笑いになって、目をあげて、闇空を焦す炎が、大波のように、渦巻き、崩れ、盛り上り、なびき伏し、万態の変化の妙をつくしつつ、果しもなく、金砂子(きんすなご)を八方に撒き散らすのを眺めながら、「ほほう、ほほう、黄金の粉が、空一めんにひろがって行くぞ! 広海屋、見ろ、おぬし一代の栄華、贅沢(ぜいたく)――日本一の見物(みもの)じゃぞ! すばらしいのう! これを見ながら一ぱいはどうじゃ! 酒を持って来い! は、は、酒肴(しゅこう)の用意をととのえろ! ほほう! ほほう! 何ともいえぬ眺めじゃなあ」「おのれ、何をぬかすぞ! それ、この人殺し、火つけの罪人、早う、お役人を呼んで――」と、番頭の一人が、手代どもにいうのを、フッと、何か、思い当ったような広海屋、狂奮の中にも、キラリと、狡く目をはたらかせて、「待った! お役人衆に、このことを、お知らせするのは、まあ、待った!」「じゃと、申して、みすみす、この科人(とがにん)を――」「待てと言ったら!」と、止めて広海屋は、手鉤(てかぎ)を持った出入りの鳶(とび)に、「おぬし達、この長崎屋を、くくり上げて、ソッと、土蔵の中へ、入れて置いてほしい」「でも、お役人のお叱りをうけては――」「よいと申したら――気が昂ぶっているによって、落ちついてから、わしが、必ず自首させる――さあ、あまり、人目に立たぬうち――」広海屋はセカセカしくいった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...みすみす、もうけさせてやろうと言うのに、お前と言う人も慾が無い...
三好十郎 「冒した者」
...みすみす煮(にえ)湯ば呑まして知らん顔をしているのだぞ! (段六が何か言おうとするのに押しかぶせて)うう...
三好十郎 「斬られの仙太」
...みすみす贋物を掴まされたとわかつても...
三好十郎 「肌の匂い」
...みすみす無惨な結果をまねいて...
三好達治 「海辺の窓」
...親も生きてやろうとはなぜしない」「みすみす...
吉川英治 「私本太平記」
...みすみす負けと分っている戦(いくさ)をするのは...
吉川英治 「宮本武蔵」
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