...内儀さんはほとほと気息(いき)づまるように見えた...
有島武郎 「親子」
...更け行く夜(よる)も三つ一つほとほと過ぎし折しもあれ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...ほとほといやになったのだから来年は...
太宰治 「正義と微笑」
...ほとほと当惑した時に...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...ほとほと母をうんざりさせた...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...ほとほと留度(とめど)がわからないのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...ほとほと舌をまいて...
中里介山 「大菩薩峠」
...ほとほとその原因を究めさせたくなるほどにマセた奴がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼はほとほと困惑しながら事務所の二階に戻つて来る...
原民喜 「火の踵」
...殿はうちつづく暑気に悩んでほとほとに倦(う)んじられ...
久生十蘭 「玉取物語」
...いっこう平気な顔で「ほとほとに(女洞の掛言葉)舟は渚に揺(ゆる)るなり...
久生十蘭 「無月物語」
...僕はほとほと嫌気が差したので...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...ほとほと困り果てて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...さて箸のさきにつまみあげてほとほと安心しきった顔つきで優しい微笑をもらすところのゴヤの婆さん――そして己れもやっと宿命の衣を脱いでしまって...
室生犀星 「しゃりこうべ」
...父が若き日を知り給へる人ほとほと無かるべく...
與謝野禮嚴 「禮嚴法師歌集」
...ほとほと感じ入ったていで...
吉川英治 「私本太平記」
...「いつも同じような御返答では、児童の使いのようで、てまえも、ほとほと弱る...
吉川英治 「新書太閤記」
...四つン這いに手をついて謝罪(あやま)るか」ほとほと持て余した楊志は...
吉川英治 「新・水滸伝」
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