...足(あし)のとまる処(ところ)にて不図(ふと)心付(こゝろづ)けば其処(そこ)...
饗庭篁村 「隅田の春」
...(中略)と亭主(ていしゆ)が懐(ふところ)にはいればそのまま魂(たましひ)入れ替り...
芥川龍之介 「案頭の書」
...ふと見ると扉が少しあいている...
海野十三 「火星兵団」
...其時ふとこいつあ千住の方にいるんじゃないかと思ったんで...
海野十三 「白蛇の死」
...ふところからたとうがみをお出しになるおとがさら/\ときこえました...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...「かへりませんか」と云ふと...
田畑修一郎 「南方」
...やがてまる/\と肥(ふと)つて...
土田耕平 「身代り」
...――ふとした機会から...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「暗号舞踏人の謎」
...体がまるまるとふとって...
豊島与志雄 「長彦と丸彦」
...するとふと大阪の病院で三沢から聞いた精神病の「娘さん」を聯想(れんそう)し始めた...
夏目漱石 「行人」
...松前のアイヌが使ふと言ふ『トリカブト』の毒が塗つてあつたと言ふことです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こんなものが出て来たんです」八五郎は懐中紙(ふところがみ)の間から...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「外(ホカ)ナル敵ヲ防グニハ――」お葉が歌ふと...
牧野信一 「サクラの花びら」
...――私は思はず袂で顔を覆ふと...
牧野信一 「心象風景」
...太海(ふとみ)今太郎(いまたらう)といふ少年潜水夫がゐました...
宮原晃一郎 「動く海底」
...」と義兄が云ふと...
横光利一 「悲しめる顔」
...ふと惻隠(そくいん)を抱く尊氏だった...
吉川英治 「私本太平記」
...彼はふと、「よい機(しお)――」と、思いついて、縁を下り、佐渡が饗応されている部屋の方へ庭づたいに歩み、そこから、「雨が来そうでございます...
吉川英治 「宮本武蔵」
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