...しきりに一小間々々(ひとこま/\)に...
泉鏡太郎 「飯坂ゆき」
...風間三千子が撮影した顔子狗の最期(さいご)を示すフィルムの一齣(ひとこま)を引伸し写真にして添付(てんぷ)した...
海野十三 「鬼仏洞事件」
...映画の一駒(ひとこま)でもあるような...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...試みにたったひとこまの皮膜に写った形像を精細に言葉で記載しようとしてもおそらく千万言を費やしてもなおすべてを尽くすことは不可能であろう...
寺田寅彦 「ニュース映画と新聞記事」
...しかしこんな他愛ない一駒(ひとこま)だけを残して...
外村繁 「澪標」
...それとひとこまおいてつづきの荒波のなかを分厚な唇をもったつわものが鬚(ひげ)を水に靡(なび)かせながら泳いでるのはアッシリアの彫刻にでもありそうな図だ...
中勘助 「胆石」
...それも仕掛け花火のひとこまのような錯覚を起して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いとも長閑(のどか)な晝下りの一齣(ひとこま)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それはお前(まへ)人困(ひとこま)らせといふ物(もの)...
樋口一葉 「十三夜」
...しからずんば某(なにがし)かよこせよといたぶるの一齣(ひとこま)あり...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...芥川さんの何かの小説に「読経を新内のように聴いていた」という一齣(ひとこま)がありましたね...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...紙芝居の群れに入って町廻りをしたひとこまを哀しく嬉しく思い出していた...
正岡容 「わが寄席青春録」
...日本の民主的な精神が歩いて来た歴史のひとこまとして意味の小さくないことだと思う...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第九巻)」
...これらのことは「風知草」以前にはあるとおりの率直さで書くことのできなかった人民の歴史のひとこまである...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...ヂャールをスプーンに二杯弱で起こった悲喜劇のひとこま...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...これはその初めの僅かな一齣(ひとこま)にすぎないのだ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...歴史のひとこまが作られる...
吉川英治 「随筆 新平家」
...少年の日の思い出の一齣(ひとこま)として...
吉川英治 「平の将門」
便利!手書き漢字入力検索