...貴兄御困難のことも大方推量致し居候えども何卒(なにとぞ)出来るだけの御奮発願上候...
高浜虚子 「子規居士と余」
...何卒(なにとぞ)御一答待ち奉り候...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...何卒(なにとぞ)御都合なし下されて...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...……」シェクスピアM警視総監閣下日頃一面識も無き閣下に突然斯様(このよう)な無礼な手紙を差し上げる段何卒(なにとぞ)お許し下さい...
西尾正 「陳情書」
...何卒(なにとぞ)其處(そこ)に住(す)まはせて...
樋口一葉 「曉月夜」
...なにとぞ、それまでは」というと、急に甲斐守の顔をふりあおぎ、「それについて、ひとつ、お願いがございます」「申して見よ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...なにとぞ手前の辛苦をあわれと思召され...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...なにとぞ御寛恕(ごかんじょ)くださいますよう...
火野葦平 「人魚」
...なにとぞこの老紳士の小さき孫のものたりし...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...竜神何卒(なにとぞ)好(よ)き檀越(だんおつ)に一度逢わせてくださいと頼むと...
南方熊楠 「十二支考」
...この一寸した満足感を喋るのだけ何卒(なにとぞ)苦笑して黙ってきいていらして下さい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...朝六時から夜九時半までのフール・デェイ・サーヴィス故何卒(なにとぞ)あしからず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...なにとぞ、お後より橘がまいるあいだ暫(しば)しお待ちくださいますよう...
室生犀星 「姫たちばな」
...此上とも何卒(なにとぞ)御用心被遊候様御願申上候尚過日は沢山の御手当を頂戴仕り万々難有御礼申上候...
山本禾太郎 「仙人掌の花」
...著名な卓識ある一女(ぢよ)詩人に対して一小(せう)市民の娘が手紙を捧げると云ふ事は甚だ大胆に過ぎますが何卒(なにとぞ)お許し下さい...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...――ともあれ、笠置の主上には、お待ちかねであらせられる」「おん前、なにとぞ、よろしきように」「と仰せらるるは」「しょせん、武も才もなく、ただ、土くさいのみの田舎武者、おわびのほかはございませぬ」「では、どうあっても?」藤房はあやしんだ...
吉川英治 「私本太平記」
...どうなろう」「なにとぞ...
吉川英治 「私本太平記」
...よいか、ますます自重(じちょう)あそばすようにと」「は、心得(こころえ)ました」いい機(しお)と、小文治が立ちかけると、「あ、待て」またか、――そう思わずにいられないで、「さきをいそぎますゆえ、なにとぞ、このまま失礼(しつれい)ごめんくださいまし」と、そこに落ちている矢(や)をひろって右手(めて)につかむと、居士も、やっと腰(こし)をあげて、「小文治、その品(しな)ばかりでは心もとない、いずれこの空がまッ赤(か)に夕焼(ゆうやけ)するころには、御岳(みたけ)の山も流血(りゅうけつ)に染(そ)まるだろう...
吉川英治 「神州天馬侠」
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