...とその拍子に、良秀も何やら慌てたやうな声をあげて、立上つた気色でございましたが、忽ち耳木兎の羽音が一層前よりもはげしくなつて、物の倒れる音や破れる音が、けたゝましく聞えるではございませんか...
芥川龍之介 「地獄変」
...その拍子に帽子が天の釘(くぎ)から外(はず)れでもしたのか僕は帽子を掴んだまま...
有島武郎 「僕の帽子のお話」
...その拍子に、触角がはなれて、三郎のこえは木曾にきこえなくなった...
海野十三 「大宇宙遠征隊」
...その拍子に苦味(にがみ)が幾らか取れるようですから...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...その拍子にかたい物が足に当って...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...するとその拍子に...
竹久夢二 「都の眼」
...その拍子に梯子段を踏みはずして下へどたどたと落ちて土間に横になったが...
田中貢太郎 「女の首」
...その拍子に王が眼をやると...
田中貢太郎 「蘇生」
...その拍子にお菊さんは己(じぶん)の呼吸(いき)があぶくのようになって口から出るのを感じた...
田中貢太郎 「萌黄色の茎」
...その拍子に大きな薔薇の木が押潰され...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...その拍子に腰掛が躍った...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...その拍子にインキ壺からインキがぱっとはねかえった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...その拍子に椅子を倒した...
豊島与志雄 「潮風」
...その拍子に机の上を覗いた...
豊島与志雄 「反抗」
...その拍子にすばやく...
宮原晃一郎 「熊捕り競争」
...そしてその拍子に埃の中にうづまつてゐた靴が飛びだしました...
村山籌子 「あひるさん の くつ」
...その拍子に右手で軌条(レール)を掴んで起き上りかけたが...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...その拍子に彼女はドタンと畳の上に尻もちを突いた...
夢野久作 「冗談に殺す」
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