...先生がさしずめ日本の羅貫中(らかんちゅう)というところでございますな――いや...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...さしずめここらが真先に戦場となるわけだった...
梅崎春生 「赤い駱駝」
...さしずめこれからの身のふり方に困(こう)じ果てた...
江戸川乱歩 「接吻」
...さしずめその頭から無数の星が飛び出ていようというところ...
谷譲次 「字で書いた漫画」
...さしずめ百物語か化物合戦記に出て来そうで...
谷崎潤一郎 「少年」
...さしずめ売物とでもいった形...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...わたくしはさしずめ Regierender Graf von Moor の役回りでございます! どうか御判断のうえ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...死にに行くという若いもの供(ども)の身の上についてはさしずめ如何(いか)なる処置を取ってよいのやら全く途方に暮れてしまった...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...だけど、良人がその子供を嫌がったら困るじゃないか」「そんな無理をいう良人は持ちませんよ」「そうか、そうすると、さしずめ、俺は無理をいわぬ、いい御亭主だな」「何ですか、少しばかり懸賞金貰ったと思って厭に鼻息が荒くて……」「まだ三百円貰えなかったことにこだわっているのだろう? 新しい雑誌社だもの、五拾円でも貰えれば、もって幸福とせにゃならん」「ああ厭だ厭だ……」寛子は、啓吉の方へ見向きもしないで、台所の方へ降りて行った...
林芙美子 「泣虫小僧」
...さしずめ神輿(みこし)に乗った神だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...さしずめフィールデンの努力が無駄になったようだったが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...さしずめそれらを伝習する学校が必要であった...
本庄陸男 「石狩川」
...さしずめ神田か本郷の下宿の場が眼に浮かんで...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...さしずめ私も蜂にいろんな名をつけて...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...一ツその用心棒格で、おめえの一座を見てやろうじゃないか」「よかろう、それは是非ともそうありたいものだて」と、馬券堂は自分が相談をうけているようにのみこんで、「さしずめ、馬春堂先生を軍師とし、伊兵衛を旗本として連れてあるけば、嵐粂吉の一座も天下に怖いものなしじゃないか...
吉川英治 「江戸三国志」
...さしずめ戦後の経策と撫民(ぶみん)のため...
吉川英治 「三国志」
...「方々に別しての御意見とてなければ、さしずめ、宿老として、この方が愚存(ぐぞん)を申しのべるほかおざるまいが……」その時、上座にあった神戸信孝の容子(ようす)に、ふと顔いろのうごくのが見えた...
吉川英治 「新書太閤記」
...目標はさしずめ叡山であった...
和辻哲郎 「鎖国」
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