...こけつまろびつして...
芥川龍之介 「偸盗」
...猪熊(いのくま)の爺(おじ)は、老女の救いを得(う)ると共に、打ち物も何も投げすてて、こけつまろびつ、血にすべりながら、いち早くどこかへ逃げてしまった...
芥川龍之介 「偸盗」
...こけつまろびつ逃げまわり...
江戸川乱歩 「影男」
...こけつまろびつ逃げまわり...
江戸川乱歩 「影男」
...それからがいけなかつた、――ワヤになつてしまつた、カフヱーからカフヱーへと泳ぎまはつた――それでも帰ることは帰つた、こけつまろびつ、向脛をすりむいだり、被布を裂いたり、鼻緒を切らしたりして...
種田山頭火 「其中日記」
...――こけつまろびつ――とろ/\どろ/\――何が何やら...
種田山頭火 「其中日記」
...こけつまろびつ逃げて...
中里介山 「大菩薩峠」
...片手に斧を引提げて、こけつまろびつ、それを後ろから追いかける船頭とても、本来が決してさほどに、不人情でも、手前勝手でもあるわけではなく、ただ危険が間髪(かんはつ)に迫った途端に、その日ごろ持っている海の迷信が逆上的に働いて、こうせねば船のすべてが助からぬ、こうすれば必ず助かるものだと思い込ませたその魔力がさせる業(わざ)でありましょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...南天をくぐる時からしてこけつまろびつしている...
中里介山 「大菩薩峠」
...こけつまろびつ川下の方へにげて行くのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...その時、往手(ゆくて)の林の中から、いかにもあわただしく転がり出して、こけつまろびつ、こちらへ向って走り来(きた)る二つの物体がありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...こけつまろびつ走る二人のうちの一人が...
中里介山 「大菩薩峠」
...大風にこけつまろびつしている弁信の胸のあたりを見計らい...
中里介山 「大菩薩峠」
...こけつまろびつ上らんとして...
中里介山 「大菩薩峠」
...男は二三度こけつまろびつ...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...やはり、ほんとうの関心は掏摸に向けられていたのだが、その掏摸が、こけつまろびつ、がむしゃらに逃れて行く姿を見ていて、ほっと胸にひびいて来たものがあった...
火野葦平 「花と龍」
...こけつまろびつ、体をわるくして、あとから婚約した人とも破れ、今中野の療養所にいます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...草の中をこけつまろびつしながら向うのまん丸い森の方へ逃げて行くのでした...
夢野久作 「死後の恋」
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